TOP > CSR > 社長メッセージ

社長メッセージ

より良い未来に向かって

|トップメッセージ|
ジェイテクトが今後も存続していくためには、社会の発展に貢献し続けなければなりません。
2016年度は、既存の4事業のみならず、新たに社会に貢献できる新規事業として、当社ならではのパワーアシストスーツの開発を発表いたしました。
同時に守りの経営においても、健全な危機感を持って、企業の土台としてのESG(※)に配慮した経営も引き続き推進しております。
ステークホルダーのみなさまにおかれましては、なにとぞ変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
※ ESG Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字。企業が事業活動を展開するにあたり、企業責任として配慮が求められる項目。

株式会社ジェイテクト 取締役社長 安形哲生(Tetsuo Agata)

ジェイテクトが目指す未来

ジェイテクトは11年前に、1921年、1941年にそれぞれ創業した光洋精工と豊田工機とが合併してできた、歴史ある若い会社です。 当社が次の10年、20年も存続していくためには、ジェイテクトグループの強みを原動力に、社会の抱える課題の解決を通じて、社会の発展に貢献し、ともに成長していかなければなりません。
世界は今、さまざまな課題に直面しています。 たとえば、温暖化などに代表される環境問題やエネルギー資源の枯渇、新興国の経済発展・人口増加に伴う水・食料の確保、先進国では高齢化社会への対応など、どれも大変重要な課題です。 当社の事業活動を通じてこれら課題の解決に貢献し続けることが、自社の存在価値を証明し、持続的な成長を実現する唯一の方法であり、目指す未来だと考えております。
その当社の強みは、自動車をはじめさまざまな産業に対して、自社の4つの事業が提供する商品・サービスを通じて、省エネ、燃費改善、低環境負荷、省人化などの価値を提供していることにあります。 さらに、日本のみならず、世界28カ国の130社を超える拠点を通じて、グローバルに価値を提供できることも当社の強みであります。
この強みを生かし、当社は今後も社会的課題の解決に向かって真摯にチャレンジし、社会の信頼に応え、モノづくりを通じて、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献してまいります。

JTEKT GROUP VISION

当社が社会的課題の解決を通じて社会に認められる、つまりジェイテクトならではの付加価値が認められるためには、自社の商品やサービスが、ナンバーワン、オンリーワンであり続けなければならないと思います。 新興国メーカーの成長に伴い、どのような商品でもこれまで以上の速度でコモディティ化しています。 当社においても、現状に満足してしまうと、下りのエスカレーターに立っているように、すぐに他社に追い抜かれます。 現状に対して健全な危機感を持ち、ジェイテクトならではの価値をグループ一丸となって追求し続けることが「No.1 & Only One」の実現に求められます。 これは大変なチャレンジではありますが、私を含めジェイテクトグループの従業員一人ひとりがこのチャレンジに立ち向かい、次々に新たなナンバーワン、オンリーワンを生み出す努力を重ねてまいります。
このために必要な活動の柱として、私たちは「価値づくり」「モノづくり」「人づくり」を掲げております。 「価値づくり」とは、一言で申し上げますと、ジェイテクトならではのシーズと世の中のニーズの掛け合わせをこれまで以上に増やしていくことです。 たとえば、当期ではパワーアシストスーツという成果が生まれております。 これは労働者人口減少に伴う作業現場の負荷増の解決というニーズと、当社のステアリング事業で培った反力制御技術を融合させることで生み出された新たな価値です。 今後は第二、第三の成果を生み出していきたいと思います。 そのためには、研究開発のさらなる強化と、中長期的に世の中がどのように変化し、どのようなニーズが生まれるかを推察するマーケティング活動の強化が課題となります。 特に研究開発に関して、当社の売上に占める割合は3.7%程度と、メーカーとしては平均的な水準にあります。今後、これを4%までに引き上げることを考えております。
「モノづくり」とは、「価値づくり」の成果を商品にするにあたっても、世界を感動させる高い競争力を持った商品にしていこうということです。 当社はメーカーである以上、世界トップレベルのモノづくりを実現することで、初めて競争力を持つと考えます。 そのためには、JPS(※)の推進、生産活動の高度化による自働化・省人化と同時に、間接業務のさらなる効率化にも努めることで、ジェイテクト全社目線で「世界を感動させるモノづくり」の実現に向かってまいります。
「人づくり」は「価値づくり」「モノづくり」の土台であり、最も難しく、かつ重要な部分です。 「人づくり」とは、自らが考動することは自然なことだと従業員のみなさんが思われることであり、そのようなカルチャーが当社に根づいていることです。 それに向けて、従業員のみなさんが納得したチャレンジ目標を設定し、その目標に向かってみなさんが努力され、同時に努力の成果をみなさんがしっかり受け取れるサイクルをつくり出すことが、経営陣のやるべきことと考えております。 そのために、2016年にはグローバルで共有すべき価値観としてJTEKT WAYを策定しました。 JTEKT WAYのその真髄である自ら考え自ら動く“考動”を実践する風土の醸成、さらに本年策定しましたマネジメントモデルをベースとした方針管理の強化、着実に上位方針をブレークダウンしていくための階層別教育の見直し、人材の多様性を掛け合わせの力に変えるダイバーシティの推進、日常業務の標準化のレベルアップにより、組織能力を高める一連の業務改革を進めています。 また、これだけではお仕着せになってしまうので、私と従業員のみなさんとの間でタウンミーティングを持ち、当社の将来から日々の困りごとまで、率直な意見交換を行っています。 昨今はずいぶんと本音も聞かせてくれるようになってきましたので、今後も回を重ねることで、従業員のみなさんとの相互理解を深め、同じ夢を追っていきたいと思います。
※ JPS JTEKT Production System(ジェイテクト生産方式)。

ジェイテクトの事業

当社は現在、ステアリング、駆動、軸受(ベアリング)、工作機械・メカトロの4事業によって構成されております。私は、ジェイテクトが目指す未来に向けては、今の事業を減らさず、むしろたとえば新規事業として発表したパワーアシストスーツのように、新たなシーズとニーズの掛け合わせによる事業を増やしたいと考えています。パワーアシストスーツ以外にも、いくつか可能性のある芽があり、今後は第二、第三の新規事業をつくり出していきます。
同時に、現在の当社の主力事業である4事業においても、各事業本部長のもと、引き続き事業の拡大を通じて、社会への貢献に努めてまいります。具体的には、ステアリング事業や駆動事業は、「移動」そのものがより安全で、省エネであり、自動運転支援技術を通じて今後の人口減少社会においても、確実に「移動」できることに貢献していきます。軸受事業は、トライボロジー技術をさらに磨き上げ、軸受商品の低フリクション化、長寿命化をより一層追求することで、機械設備などの環境負荷を減らすことに貢献します。工作機械・メカトロ事業では、IoE技術をさらに磨き、自働化・省人化されたスマートなモノづくりを実現することで、人口減少社会においても社会の生産活動の維持・発展に貢献します。

2016年度の業績と2017年度の見通し

2016年度は円高の影響等で販売が大幅に減少したことなどにより、売上高は1兆3,183億円と前期に比べて約816億円の減収となりました。営業利益は減収および円高の影響等により、774億円と前期に比べて約44億円の減益となりました。配当は前期の水準を維持し、42円としました。2017年度は、売上高1兆3,000億円、営業利益680億円を目標としています。配当は、42円と維持を予定しています。来期、世界経済は緩やかな成長が続く見込みではありますが、日本経済は地政学的リスク等による為替変動を含む経営環境の変化が続くものとみられます。主要課題としては、各国の政情不安をはじめとする世界的な経済状況の変化へのフレキシブルな対応に加え、各事業で推進している構造改革の成果出しの加速、国内における単体収益の改善などがあげられます。当社グループ一丸となって対策を推進するとともに、将来にわたり競争力を維持するために高付加価値商品の開発加速、国内の少子高齢化による労働環境の変化を見据えた働き方の高度化やその環境整備に注力してまいります。

社会とともに

私は「No.1&Only One」を目指すため、現状に満足せず、健全な危機感をジェイテクトとして持ち続けることが必要と申し上げましたが、ESGの視点からしても、同じことが言えるのではないかと思います。 まず、ガバナンスですが、当社は社外取締役・監査役の招聘を通じて、経営に対する外部からのチェック体制をつくりました。しかし、体制をいくら立派につくっても、それだけでは意味がないと考え、中身を充実させることでガバナンスの実効性の向上に努めてまいりました。たとえば、社外取締役と監査役(社会監査役を含む)をメンバーとする社外取締役・監査役連絡会において、執行部門から取締役会付議内容の事前説明を行うことにより、社外役員と他の役員との間に生じる情報量の不均衡を是正した上で、社外役員に取締役会に出席いただく仕組みを設けており、社外役員には取締役会の場で積極的にご発言いただいております。また、会長・社長・常勤監査役で月次ミーティングを実施し、経営課題をリストアップしております。そして、経営会議でこのリストを全役員と共有し、各課題の担当役員を決めます。これらの課題は解決されるまで、経営会議で確認を行っており、リストアップされてから6カ月経っても解決されていない課題は、経営会議で担当役員に課題解決の進捗状況の報告を求めております。役員からしますと、社長からの小刻みなプレッシャーを受け続けることになり、大変でしょうが、だからこそガバナンスの強化につながると信じております。 環境面に目を向けますと、温室効果ガスの削減やエネルギー効率の向上に関する社会的な要請は年々厳しくなっています。当社の電動パワーステアリング(EPS)商品や軸受(ベアリング)はまさに環境に貢献する商品でもありますので、今後もトップランナーとして環境負荷の低減に引き続き貢献します。また、事業活動によって生じる環境負荷も、改善を通じて継続的に削減します。ただし、これらの取り組みだけでは、今後社会の要請に応えきれない可能性があります。当社は、機械設備とその設備に使われる部品の両方を持っているめずらしい会社です。両方の強みを生かし、環境負荷を大きく削減できる革新的な取り組みにチャレンジしてまいります。 社会面、特にこれまで当社を支えていただいたステークホルダーのみなさまにおいても、至極当然のことではありますが、情報開示などを通じて、引き続き良好な関係構築を努めてまいります。同時に、これまでの一方的な情報発信のみではなく、情報提供と対話の循環を通じて、ステークホルダーのみなさまとともに、ジェイテクトの企業価値の共創を実現してまいりたいと思います。

当たり前のことだけでは社会の期待を超えられないという健全な危機感を原動力に、ジェイテクトグループ一丸となって、社会の発展に貢献し、社会とともに持続的な成長を実現してまいります。ステークホルダーのみなさまにおかれましては、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

コンプライアンス徹底の取り組み

当社グループでは、2011年7月に公正取引委員会による立入調査を受け、その後、独占禁止法違反の認定を受けたことを厳粛に受け止め、コンプライアンス体制の強化を図るとともに、従業員一人ひとりが意識を向上できるような施策に取り組んでいます。また、各施策の運用状況について定期的に把握し、現場の意見を反映した改善を積み重ねています。

取り組み状況

【即時報告ルールの運用】

コンプライアンス事故発生後の対応遅れを回避するために、2015年4月よりコンプライアンス違反(そのおそれのある事象を含め)発生、発覚の際、即時報告するルールの運用を開始。

【コンプライアンス違反事例の集約と展開】

当社グループで生じたコンプライアンス違反事例(事故・ヒヤリ)を月次で集約し、経営トップ出席の会議で報告。グループ会社にも展開し、再発防止に取り組む。

【コンプライアンス点検】

コンプライアンスに関するマネジメントの状況を調査する点検を、グループ会社を含め、定期的に実施。

【同業他社との接触に関する報告】

同業他社と接触する場合に法務部への事前申請・事後報告を全従業員に義務づけ。

【教育・啓発活動等】

法令・社内規程等を遵守する旨の宣誓(署名)の実施のほか、役員コンプライアンス研修(2回/年)や階層別教育、営業部門対象の教育を実施。また、腐敗行為(贈収賄)防止のための周知徹底も図っている。

【独禁法相談窓口】
同業他社との接触 11件
情報収集・取り扱い 20件
合計 31件

*通報に相当する案件はなし