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2014年

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News Release

平成26年11月28日

JTEKT大形軸受技術開発センター本格稼動開始について

株式会社ジェイテクトは、産業機械分野で使用される大形軸受の評価・解析を行うための大形軸受技術開発センターを開設し、この度本格稼動を開始しましたので、お知らせいたします。
 従来、大形軸受につきましては、その大きさゆえに、机上の検討と基礎評価の後、お客様の実機にて評価頂く場合が一般的でした。
 今回、「風力発電装置用超大形軸受試験機」「高速鉄道車両用軸受試験機」「鉄鋼設備用軸受試験機」を新たに導入し、実機に近い環境を再現した評価が可能になっております。また、併せてシミュレーション精度を向上させ、より信頼性の高い軸受を短期間で開発してまいります。

産業機械用軸受開発フロー


 当社は、産業機械分野を市場成長が見込める重点分野と位置づけて、事業強化を進めております。大形軸受技術開発センターの開設・稼動開始もその一環であり、同センターを中心に、産業機械分野向け軸受の商品開発を今後も強化してまいります。

1.大形軸受技術開発センターの概要

 

(1)名称    ジェイテクト 大形軸受技術開発センター
 (2)所在地   大阪府柏原市国分東条町8-11
 (3)総投資額  約20億円(建屋含む)

ジェイテクト 大形軸受技術開発センター 外観

2.風力発電の市場動向と設備概要

 

(1)市場動向
   欧州、中国を中心に風力発電の導入量は今後も増加し、洋上発電の占める割合が
   更に高まると考えられています。風力発電の洋上化が広まることで、ブレードの
   大径化・高発電容量化がすすみ、風力発電用軸受においても、高負荷容量化や更
   なる大形化が求められるようになります。

風力発電の大形化・高発電容量化イメージ

(2)これまでの課題点
   軸受の性能確認は実機風車で実施しているため、試験条件は風況に影響され、評
   価項目や時間に制約があり、評価後の軸受内部状況の確認が不可能でした。
   このようなことが影響し、風車メーカーの開発期間の延長、開発費用の増大など
   といった課題が存在しました。

(3)評価試験機導入による課題解決
   軸受外径φ2.5m、5MWクラスの風車に対応する実機サイズの評価試験を導入。
   実機風車と同じ位置での荷重負荷を再現し、回転中の荷重・転動体挙動測定、潤
   滑状態の観察が可能になりました。
   評価結果とCAE解析を組み合わせることで解析精度が向上し、評価期間の短縮
   と開発コストの低減に貢献します。


風力発電装置用超大形軸受試験機

3.高速鉄道の市場動向と設備概要

 

(1)市場動向
   高速大量輸送鉄道の車両数は今後グローバルで伸び続けると考えられています。
   国内の新幹線では開業当時の0系の最高時速は210km/hでしたが現在では、
   320km/hにまで達し、今後さらなる高速化が進むと見られています。鉄道の高
   速化に伴い、軸受にも高速回転と振動に耐えうる高い安全性と信頼性が求められ
   ています。

風力発電装置用超大形軸受試験機

(2)これまでの課題点
   従来の評価設備では、実車で発生する不連続、不規則な振動やカーブで発生する
   車軸の動きや400km/h以上の高速走行の再現ができませんでした。
   また実車での継続的な測定や詳細観察などを行うことも不可能でした。

(3)評価試験機導入による課題解決
   今回導入した評価設備では、これまで不可能であった、実車両で記録した速度、
   振動、カーブ時の車軸の動きなどを忠実に再現したシミュレーションが可能とな
   り、400km/hを超える評価試験を行うことも可能になりました。


風力発電装置用超大形軸受試験機

4.鉄鋼製造設備の市場動向と設備概要

 

(1)市場動向
   産業の根底を支える鉄鋼業界は今後も堅調に成長し続け、国内の製鉄メーカーの
   みならず海外の製鉄メーカーの事業展開拡大も期待されています。
   鉄鋼製造の現場で使用される軸受は大量流水・高速回転、低粘度潤滑・高荷重な
   ど過酷な環境で使用されています。

 鉄鋼圧延機用軸受用途イメージ


 4段圧延機 ロールネック用軸受

 自動車や家電向けの汎用的な製鉄設備で使用
 され、大量の流水に耐え、高速回転すること
 が求められています。

 鉄鋼圧延機用軸受用途イメージ
 多段圧延機 バッキングアッセンブリ用軸受

 発電機やモーターなど向けのステンレス素材
 の製造設備で使用され、高い耐荷重性、低粘
 度での潤滑が求められています。

(2)これまでの課題点
   従来では実機環境での評価ができず、使用時に発生する損傷形態や水や熱などの
   周辺環境の影響などの解明が困難でした。

(3)評価試験機導入による課題解決
   実機サイズでの評価、実機運転状況、周辺環境の再現が可能な試験機を導入。
   これまで解明できなかった実機環境での損傷を再現し、開発技術の向上を実現し
   ました。


鉄鋼設備用軸受試験機