循環型社会の構築
世界の資源基盤の保全は、ISO26000やGRIスタンダード2016、SDGsでも取り上げられており、企業には原材料の使用削減、部品の再利用などが強く求められています。また水資源は、今後世界的な不足も懸念されることから、水資源の有効活用に企業が取組むことの重要性が高まっています。ジェイテクトでは、生産技術の革新を進め、加工そのものを減らすことによる使用材料の削減や、生産現場における改善と工夫により、水資源を含む、資源の再利用や廃棄物の削減・再資源化等様々な取組みを進めています。
主要な2022年度実績
2025年環境行動計画/2022年度活動実績
[ ]2018年比
区分 | 取組み項目 | 目標・取組み方針 | 2022年度活動実績 | 評価 | |||||||||||||||||||||||
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資源の有効利用 | 《生産》 (1)発生源対策による徹底的な排出物削減の推進 (2)再資源化による最終処分量の削減 |
《生産》 ①ネットシェイプや設計・工法の変更等による発生源対策 ②埋立廃棄物ゼロの維持に向けた継続的な取組み
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◯ | |||||||||||||||||||||||
(3)生産における水使用量の削減 | ①再利用の推進、節水、ムダの削減 ②水リスク評価に基づく、高リスク事業所の水削減強化、水管理レベルの向上
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《物流》 ワンウェイ梱包資材使用量の削減 |
①梱包の簡素化、リターナブル容器の拡大などによる梱包資材使用量の削減
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②使い捨てプラスチックの全廃に向けた使用量低減、バイオプラスチックの採用 3R推進(Reduce/Reuse/Recycle)、バイオプラの市場動向確認
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活動報告
廃棄物の削減<生産>
発生量の多い廃棄物への取組み
ジェイテクトでは、廃棄物(無償・逆有償リサイクル品)の種類を分類し、特に排出量の多い汚泥、廃液、鋳物砂を重点品目に指定し、優先的に改善を進めています。
2022年度の廃棄物の割合(ジェイテクト単独)
ゼロエミッション達成への取組み
ジェイテクトでは、廃棄物も含めた排出物全体を資源と捉え3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考えに基づき、再資源化(リサイクル)率100%を目標に取組んでいます。2012年11月にはジェイテクト単独でリサイクル率100%を達成し、以降も継続しており、グローバルでもゼロエミッションを達成できるよう、地域ごとに計画を策定し進めてまいります。
ゼロエミッションとは
産業活動から排出される廃棄物や副産物を、他の産業の資源として活用するなどして、全体として廃棄物を自然界に排出しないようにすることを目指すもの。1994年に国連大学が提唱。
排出物排出量推移
ジェイテクト単独
グローバル
廃棄物原単位推移
危険廃棄物排出量推移
主な実施内容
羽村工場
マイクロバブルの浮上分離効果によって、焼入れ前洗浄液の長寿命化
羽村工場の熱処理前洗浄工程では、前工程からの持ち込みスラッジの量が多く、洗浄液の劣化が早いため、毎日更液を実施し、年間で約3.7万㎥の水と4㎥の洗浄液を使用していました。そこで、液の長寿命化を狙い、洗浄液からスラッジを取り除くマイクロバブルによる浮上分離装置を導入しました。装置を導入したことによって洗浄液中のスラッジが取り除かれ、洗浄液の交換頻度は1回/3日に低減されました。これにより、年間約2.4万㎥の水使用量と、約3㎥の洗浄剤の消費量削減を図りました。
微細なスラッジの除去の様子
油分回収状況
廃棄物の削減<物流>
包装梱包資材の削減
木製梱包資材の削減推進のため、木製パレットから樹脂パレットへの変更拡大、木箱から強化段ボールへの変更。
紙製梱包資材の削減推進のため、使い捨ての段ボール箱からリターナブルポリケースへの変更拡大。
過剰包装の見直し、製品サイズに合わせた段ボール箱への変更で緩衝材使用量削減の取組みを実施しました。
2023年度の目標として木製梱包材原単位:0.31t/億円、紙製梱包材原単位:0.41t/億円を推進していきます。
ワンウェイプラスチック梱包材の削減
2021年度はSDGsの取組みの中で使い捨てプラスチック梱包材のトラッキングを開始しました。
削減取組みの中で大型軸受レザー巻きの真空包装化、ベルトラッシングへの変更拡大による削減を実施しました。
2023年度の目標としてプラスチック梱包材原単位:0.109t/億円を推進していきます。
TOPIC
プラスチック資源循環促進法への対応
2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。
ジェイテクトでは、既に取組んでいるワンウェイプラスチックの削減に加え、廃プラスチック全般についても、排出量を削減する取組みを進めてまいります。
主な実施内容
包装梱包資材の削減
活動内容
資源の有効利用<水使用量の削減>
水の有効利用を促進
ジェイテクトでは、大切な資源である水の使用量を削減するため、無駄の削減や社内での再生利用などにより水の使用量削減を進めています。2022年度は、2018年度比4.0%以上の改善を目標として、更に漏水対策を主とした使用量削減を進めました。
水リスク評価
ジェイテクトは、水使用量原単位の改善による水資源の有効利用に加え、2017年から事業所毎の水リスクをAqueduct※を用いて評価しています。
今後、水使用量削減の取組みにあたっては、将来予測も含めた水リスク評価結果や事業所毎の水使用量や水依存度に応じた取組みを行い、水資源の有効利用に取組んでいきます。
※Aqueduct
世界資源研究所(WRI)が運営するデータベース。「物理的な水ストレス」、「水の質」、「水資源に関する法規制リスク」、「レピュテーションリスク」などの水リスクを示した世界地図・情報を提供
※集計対象:グローバル環境マネジメント対象会社(ジェイテクト単独13拠点、国内グループ17社、海外グループ31社)
水リスク対策
水リスクは毎年度、WRI Aqueductを用いて、当社の事業に直接影響を与える水ストレスの要因でリスクが「高い」と評価された拠点を水ストレス地域と評価している他、洪水、干ばつ、規制・評判の要因や、将来の水リスクとして、2030年時点での水ストレス要因も考慮していています。
2022年度の水リスク評価の結果、ジェイテクトグループの全生産拠点の中で、水ストレスが高いと評価された地域は、インド地域とメキシコ地区でした。
そのうえで、各地域の水使用量実績と地域の水事情を調査した結果、インド地域では水質が悪いため、RO(逆浸透膜)装置を導入し、水質を改善したうえで生産工程に供給しています。
水ストレスの状況
水ストレス地域における水使用量の推移は下記グラフを参照願います。
2022年度におけるストレス地域での水使用量は、インド:145千㎥、メキシコ:10千㎥となっており、当該地域については、水の循環利用やクーラントの再生利用などの水使用量の削減目標をそれぞれ立案し、対策を進めています。
インド
メキシコ
※2021年のWRI Aqueduct評価により新たに水ストレス地域と評価
水リスク地域での取組み事例(インド)
工場:JBIN, JIN
ウエットスラッジを分離する
油圧プレス機(JBIN)
下水処理場から来た
処理水の貯蔵タンク(JBIN)
手洗い蛇口の
シャワー化(JIN)
私のSDGs
左から Subhash, Naveen Kumar, RanVijay, Sanjay Joshi, Sukdeb Sukul
『既成概念にとらわれない発想で節水目標を達成』
JBINでは水使用量削減に対する様々な改善に取り組んでいます。以前は、ウェットスラッジをクーラントとスラッジに分離する設備がありませんでしたが、それを可能にする油圧プレス機を開発しました。この改善により一日当たり約150リットルのクーラントを再利用しています。
また下水処理場で処理された水を再利用して節水に取り組んでいます。下水処理場の処理水をオーバーヘッドタンクに貯蔵し、配管を通してトイレの洗浄に利用しています。この改善により一日あたり約3000リットルの節水が可能です。節水はJBINが設定した達成すべき最重要目標であったため、チームは節水目標を達成するために既成概念にとらわれない発想をすることにしました。難しい挑戦でしたが、やりがいを持って取組み、この活動で節水目標を達成することが出来ました。
またJINでは、手洗い用蛇口シャワーに高圧洗浄を採用するなど、さまざまな節水活動を取り入れています。
これはチームの節水活動のほんの始まりに過ぎず、今後も社会をより良くするためにさらなるアイデアを探求していきます。