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化学物質管理
自然共生・生物多様性
化学物質管理の徹底および環境負荷物質の低減
地球の生態系や人の健康に悪影響をおよぼす環境負荷物質に対し、使用・排出規制が強化されています。企業には生産から廃棄に至るまで、すべての段階において徹底した環境負荷物質管理と削減対策、そして各種規制の遵守が求められています。モノづくりの企業にとっての環境負荷物質の削減は社会的な責務です。ジェイテクトでは、生産時の使用量・排出量を減らすことはもちろん、製品に含まれる環境負荷物質を把握し、管理を徹底しています。
生物多様性の保全
自然破壊の拡大に伴う生息・生育地の縮小により、地球上の生物の多様性が急速に失われつつあり、SDGsにおいても「生物多様性損失の阻止を図ること」が目標の1つとしてあげられています。企業活動は、自然界から受ける恩恵によって成り立つと同時に、生物多様性に多大な影響を与えており、企業自らが自然生息地の保護をはじめとした取り組みを進めることが重要と考えます。ジェイテクトでは、「生物多様性保全行動指針(2011年3月策定)」に生物多様性の保全を命と暮らしを支える重要な社会的課題と位置づけ、各工場で地域の特徴を生かした取り組みを推進し、生物多様性保全に関する活動の輪を広げています。

主要な2017年度実績

製品環境委員会の設置

製品に含まれる環境負荷物質を把握し、管理する取り組みとして、関係部門による「製品環境委員会」を設置しました。情報収集、データ管理、社内教育などの活動全般を分科会活動に落とし込み、ワーキンググループでの活動を実施しています。

製品環境委員会「仕入先ワーキンググループ」の取り組み

製品環境委員会の下に7つのワーキンググループを設置。データの入手から報告まで、抜け漏れ無く正しいデータ管理を目的に活動を行っています。2017年度は、仕入先ワーキンググループで、全仕入先の製品含有化学物質管理体制の把握を目的にアンケートを実施しました。さらに含有化学物質の管理が重要なゴム樹脂、電装部品等の管理体制を把握する為、確認が必要と判断した23社について、実際に現地に赴き、現地現物で管理体制の監査を実施しました。

生産活動における
環境負荷の低減

PRTR法対象物質の削減

ジェイテクトでは、生産活動により環境中に排出される化学物質の管理と削減に取り組んでいます。2017年度のジェイテクトのPRTR法対象物質の排出量は38.0tで前年と比較し2.0t削減しました。またPRTR法対象物質のうち、VOC排出量は約30.4tで塗装工程でのトルエン・キシレンが大部分を占めています。
(※)PRTR法:環境汚染物質排出・移動登録(Pollutant Release and Transfer Register)の略。化学物質の環境への排出移動量を行政に報告し、行政が公表する制度。
化学物質取扱量年度推移(ジェイテクト単独)
*排出・移動量を再確認し、過去の実績を一部修正しています。
2017年度 PRTR法対象物質排出・移動量内訳

PCB機器の適正保管と管理

絶縁油に広く使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)機器については、PCB廃棄物特別措置法により保管・届出が義務づけられています。ジェイテクトでは、法に基づき適正に保管し、行政へ届け出ています。これまでPCB機器全253台の処理を完了。蛍光灯安定器は保管していた安定器の内、5,030台の処理を完了しました。残り241台の蛍光灯安定器についても2018年度に処理し、全ての機器の処理を完了する予定です。

低濃度PCB機器の対応

PCBを使用していないとされてきた電気機器から、微量のPCBが検出されたものについても、高濃度PCB機器と同様に適正な保管を行っています。これまで低濃度 PCB機器全67台の内、19台の処理を完了しました。残り48台についても、計画に基づき、適正に処理を進めていきます。

土壌・地下水に関する取り組み

過去に洗浄剤などで使用していたトリクロロエチレンによる地下水汚染について、1998年から刈谷工場と岡崎工場で、揚水曝気方式(※1)による工場敷地外への流出防止・浄化対策を継続して行っています。加えて、岡崎工場では浄化推進対策として、2004年度から栄養剤注入による微生物浄化法(※2)も併用しています。地下水の測定結果については行政に報告するとともに、地域住民の方へは「地域懇談会」を通じて説明しています。
(※1)揚水曝気方式:地下水を汲み上げ噴霧し、下からエアーを吹き付けて有機溶剤を気化・分離し、活性炭に吸着させ除去する方式。
(※2)微生物浄化法:微生物機能を使用して汚染した環境を修復する方法で、栄養剤などの注入により現場に生息する微生物の浄化機能を高める方法。
トリクロロエチレン測定値(最大値)
(環境基準値0.01mg/ℓ)
トリクロロエチレン測定値(最大値)
(環境基準値0.01mg/ℓ)

生物多様性への取り組み

生物多様性保全行動方針

ジェイテクトでは、事業活動による環境負荷を低減し、生物多様性に配慮するために、「ジェイテクトグループビジョン」の「2015環境行動計画」に基づいて、2011年3月「生物多様性保全行動指針」を策定し環境活動を推進しています。
生物多様性保全行動指針

目指す姿

ジェイテクトの生物多様性保全活動は「各工場に生息、生育する希少な生き物の保全」、各工場を取り巻く「地域の自然環境の整備」、継続的に生物多様性保全を図るための「環境人材の育成」という3つの取り組みを柱として進めています。各工場における希少な生き物の保全に当たっては、専門家や学識経験者の意見を踏まえた、客観的な評価に基づき取り組んでいます。

ジェイテクトの生物多様性保全活動マップ

ジェイテクトでは国内から海外まで事業場が位置しています。個々の事業場の活動をつなげることで、生物多様性保全の取り組みを広げていけるよう努めています。2017年度は12工場3事業場で活動を実施しました。今後も活動の輪を国内外にさらに広めるべく、活動を推進していきます。

▶ 国内工場にカーソルを合わせると取り組みがポップアップします。

代表的な取り組み

ニッポンバラタナゴの里親活動
<奈良工場>
奈良工場では、環境省の第4次レッドリストで「絶滅危惧ⅠA類」、奈良県のレッドデータブックで「絶滅寸前種」に指定されている「ニッポンバラタナゴ」を近畿大学の支援の元、工場内のビオトープでの里親活動を2017年度より開始しました。ビオトープ内にはニッポンバラタナゴの産卵対象である「タガイ」とタガイが寄生する「ヨシノボリ」を放流し、ニッポンバラタナゴの繁殖に最適な環境を整備しています。本活動を通して、当社奈良工場で繁殖に成功した個体を近在の企業や学校に譲渡することで、里親の起点となり、ニッポンバラタナゴ保護の輪を広げます。これからも、絶滅危惧の解消を目指してまいります。
里親認定式の様子
放流式の様子
放流したニッポンバラタナゴ
私のCSR
文谷 大輔ステアリング事業本部 奈良工場 工務部 総務課
ニッポンバラタナゴの里親活動
奈良工場では2017年9月からペタキン※の里親として近畿大学殿に認定頂き、野生界で絶滅してしまった貴重な個体を繁殖させる重要な拠点の一角を担っています。
現在は、新聞や報道等に取り上げていただいたりと活動の輪は確実に広まっていると感じています。
今後もこの貴重なペタキンを未来へと受け継ぐ活動に、近畿大学・行政等と力を合わせ取り組んでいきたいと考えております。
※ペタキン:ニッポンバラタナゴの奈良県内での古くからのよび名
伊賀試験場自然共生の森
<伊賀試験場、亀山工場>
ジェイテクト伊賀試験場では、三重森林管理署が推進している「国民参加の森林づくり」活動に賛同し、同試験場周辺の国有林(約25.4ヘクタール)を対象に2017年7月に「社会貢献の森」協定を締結し、「ジェイテクト伊賀試験場自然共生の森」として自然共生活動を推進しています。2018年3月11日(日)には、周辺の亀山工場と合同で、地元団体「西山ふるさと保全会」の協力の下、試験場周辺の国有林にマツクイムシに耐性のある「抵抗性アカマツ」を社員と家族を中心とした総勢53名が参加し、200本植樹しました。傾斜面への植樹作業でしたが、苗木を植える穴を掘り、植えた後に乾燥やシカの食害防止のために苗木周辺をシートで保護するなど、参加者全員で汗を流しました。本活動を継続し、日本全国に拡大している、マツノザイセンチュウ(松くい虫)によるアカマツの立ち枯れに対策すべく、抵抗性アカマツを植樹することで、アカマツ林の保全、復活を目指してまいります。
植樹活動の様子
参加者全員での集合写真
アサギマダラの休息地整備取り組み
<豊田支社>
豊田支社では2012年より、敷地内にて野菜や果樹、バラなどを育てており、2016年には敷地内の南向き斜面に蝶や蜂を呼ぶ「ビオトープガーデン」をつくって自然共生に取り組んでいます。代表的な蜜源植物であるブッドレアやランタナとともに、アサギマダラの好む花を植えた結果、2017年10月には数頭のアサギマダラの飛来を確認することができました。
吸蜜するアサギマダラ
養蜂箱設置によるミツバチの保護
<JADS フランス>
フランスのディジョンに位置するJADSでは、2017年にミツバチの巣箱を5箱設置し、約200,000匹の保護を開始しました。フランスでは寄生虫の影響で、年間30%のミツバチが減少しています。ミツバチを保護することで、本種の花粉媒介を利用する植物の保全にも貢献することを目指してまいります。
ミツバチの保護活動
(JADS:フランス)
私のCSR
外山 雄一
並びに豊田支社 社会貢献活動チーム 
営業本部 豊田支社
アサギマダラの休息地整備
豊田支社は豊田市南部の、自動車関連の工場やオフィス、倉庫が建ち並ぶ地域にあります。2012年より社員有志による敷地内の緑化活動を開始、その後2016年より、蜜源植物を植栽して蝶や蜂を呼ぶ「ビオトープガーデン」づくりを始めました。アゲハチョウやミツバチが好むブッドレアやランタナとともに、植えているのは薄青色の綺麗な蝶、アサギマダラが好む花です。アサギマダラは南西諸島と東北地方の間を春には北上、秋には南下して台湾、香港まで飛んで行く「旅するチョウ」です。5~6cmほどの体で2,000キロもの距離をどうして、どうやって飛んで行くのか、自然の奥深さを感じさせる象徴的な存在です。そんなアサギマダラを当地にも呼びたいと、好物のフジバカマやヒヨドリバナを植えたところ、植栽を始めて翌年の2017年10月、初めて数頭が飛んで来てくれました。「こんな工場地帯の真ん中にくるのか」と半信半疑でしたが嬉しい驚きです。今後さらに多くのアサギマダラが訪れてくれる様、そしてそんな自然の豊かさを従業員や地域のかたに少しでも感じてもらえる様、次年度以降も活動を続けていく予定です。