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より良い未来に向かって

トップメッセージ

ジェイテクトにとってのサステナビリティ

SDGsやESG投資がグローバル社会で広く受け入れられているように、社会全体が今、持続的成長を重視する傾向にあります。ジェイテクトがサステナビリティを確保し、長期的な成長を実現するためには、社会からの要請に対して真摯に応え、ステークホルダーの皆様との信頼関係を構築する必要があります。
このような状況の中で、ジェイテクトが特に重視していくべき課題は、環境との共生、実効性のあるガバナンス・リスクマネジメント、”考動”する人材育成、ダイバーシティの推進の4点だと考えております。

環境との共生

当社は2016年度に「環境チャレンジ2050」を制定し、ジェイテクトグループ全体で環境負荷の極小化・環境価値の最大化を目指しております。また、目標の達成に向けて「2020年度環境行動計画」を制定し、マイルストーンをおいて、CO2・廃棄物の排出削減、資源の有効利用の実現に向けた取り組みを進めております。
2020年のマイルストーンの達成に向けて、当社は製品軸のみならず、その作り方の効率化の両面からアプローチをしてまいりました。

製品軸で申し上げますと、当社の本業が環境配慮型製品であり、本業の拡大が環境負荷の低減に直結します。例えば油圧パワーステアリングから電動パワーステアリングに変えるだけで、燃費を2-3%ほど低減できます。ベアリングでも、トライボロジー技術の追求により、低フリクションベアリングの開発をリードしてまいりました。低フリクションにより、お客様の機械の回転に必要な力がより少なくなり、エネルギー効率の向上に寄与しております。
今後、製品軸での環境負荷低減に向けては、「電動パワーステアリングの適用車種の拡大」、「トライボロジー技術のさらなる追求」等を考えております。

電動パワーステアリングの適用車種の拡大

比較的大型の車に採用されているラックパラレルタイプ電動パワーステアリングの出力をさらに高め、油圧式からの置き換えの促進に注力します。出力の向上においては、電源の高出力化も必要となります。ここには、2017年に発表したリチウムイオンキャパシタが、活きてきます。

トライボロジー技術のさらなる追求

トライボロジー技術を追求し、さらなる環境負荷低減するためには、潤滑油膜をより薄くするために流体制御技術をより追求する必要があります。当社の強みとも言えるこの分野をさらに強化することで、エネルギー効率の向上を目指してまいります。

作り方の効率化という点では、作り方のイノベーションとサプライチェーンの最適化が課題となります。
作り方のイノベーションにおいては、エネルギー効率の高い工法への変更と省工程化を検討しております。工法の変更に関しては、例えば、ベアリングの熱処理工程は現状熱処理炉を用いておりますが、将来、比較的短時間で処理が可能なインダクションに変更できれば、エネルギー使用量が断トツに削減されます。一方で、最も環境負荷を減らすことが出来るのは、省工程化です。但し、工程変更以上に、これまでの常識を疑い、ゼロからあるべき工程のあり方を考えなければならず、大変なチャレンジとなります。
サプライチェーンにおいても、より少ないステップで、少ない時間とエネルギーでこれまでと同じ事業活動を続けるためには、サプライチェーン全体を見渡し、どのように変革するべきかを大胆に考えなければなりません。
いずれにせよ、継続的な改善のみならず、革新的な取り組みの追求がもとめられます。そのためにも、これまでの業務を疑ってかかるような意識を組織として持ち続けることが重要と考えます。

実効性のあるガバナンス・リスクマネジメント

2016年度の統合レポートでも申し上げましたが、当社では社外取締役・監査役の招聘を通じて、経営に対する外部からのチェック体制を構築しております。ガバナンスにおいては実効性が肝となるため、その中でも、例えば、社外取締役・監査役(社外監査役を含む)連絡会など、社外取締役・監査役が当社の経営状況をより正確に把握し、問題指摘をする場の充実に注力してまいりました。また、監査役が日本のみならず、海外拠点も見て回り、よりよい経営のために、毎月多くの提言や指摘等を提示頂いております。いただきました提言・指摘等はすべて担当役員を決め、解決するまで、毎月対応状況について報告させており、より磐石な仕組みとしております。
2018年度より、新たな監査役に就任頂いておりますが、また新たな目線で経営をチェック頂くことになりますので、さらなる経営の質の向上に期待しております。

リスクマネジメントの観点では、現在は、一つの事業上のリスクおよび一つの地域のリスクによって、会社全体の存続が危ぶまれる時代となりました。その中で、当社も迅速に対応するための仕組みとして、グローバルCRO(チーフリスクマネジメントオフィサー)を中心としたリスクマネジメント体制を構築しております。機能・事業・地域が三位一体となって、網羅的なリスクの把握・対応が実現できるように、今後も中身の充実に努めてまいります。

推進体制

”考動”する人材育成

ジェイテクトがサステナビリティを確保し、長期的な成長を実現するためには、自ら考え自ら動く”考動”する人材の育成が必須と考えております。
これは従業員の皆さまにも努力して頂く必要がありますが、会社としても、納得感を持って取り組んで頂くために、必要な支援や仕組みの構築、風土の醸成に努め、お互いに幸せになれるようにする必要があると考えております。
そのために重点を置いているのが、教育体系の整備、方針管理の強化、グローバルポストを活用した人材育成です。

教育体系の整備

私が社長として就任したとき、当社の教育は寺子屋のように、師匠がおり、その師匠がOJTで若手社員に教えて育てていました。寺子屋のような教育も重要ですが、”考動”する人材を育成するためには、加えて、ベースとなる部分をOff-JT教育で実施する必要があります。
そこで、問題解決思考の強化として、問題解決研修を取り入れ、担当者レベルでは、起こった問題について、「この問題の原因はなにか」、「問題の真因はどこにあるか」、「どのように解決すべきか」、「解決策をどのように仕組みに落とすべきか」を常に考え続けることを意識するように研修で教育をしております。また、管理職以上となりますと、発生した問題の真因特定のみならず、将来のあるべき姿と現状のギャップから、バックキャスト的な考え方で、課題を創造することを意識するように教育をしております。
問題解決研修自体は定着しつつありますが、教育体系としては、まだ5合目にも達していないと考えております。今後の取り組みの一例としては、ジェイテクトにおける基本的な仕事の進め方をまとめたJTEKT Business Practiceを進めております。

方針管理の強化

社員の皆様の力を効果的に発揮し、高い生産性を持った組織とするためには、One JTEKTとして同じ方向を向く必要があります。
当社は中期経営計画を軸にマネジメントしておりますが、実施にあたり、部、室、グループ、個人の活動計画にカスケードダウンする中で、上位方針から求められる活動のみならず、上位方針に対して何ができるか、テーマ毎に上司と部下がキャッチボールをしながら合意・腹落ちし、その成果も双方向のキャッチボールで合意・腹落ちしながら進め、従業員一人ひとりの自発的な行動を引き出すことがジェイテクトグループのマネジメントであると考えており、目指す姿です。
この仕組みが機能するためには、部方針がしっかりと立てられていることが前提となり、そのような状況を作ることが、経営の責任でもあると考えております。私は社長として、昨年より全部署の部方針をチェックしております。2016年度ではまだ方針として不十分でしたが、方針管理のためには部方針の設計が大変重要と伝え、2017年度はどの部もかなり高い完成度の部方針となりました。2018年度も引き続きより高いレベルを目指します。

方針/計画のカスケードダウン

グローバルポストを活用した人材育成

当社のグローバルフットプリントが世界中に広がっている以上、グローバルでの人材育成も必須となります。海外拠点にもやる気があり、優秀な従業員が多数おります。彼ら、彼女らが若いうちからリーダーや様々なポジションを経験し、成長できるよう、各地域の事情を踏まえた地域オリジナルのサクセッションプランの策定を進めております。今後は、海外拠点間の人材交流の拡大も進め、広大なバックボーンを背負った人材を育成してきたいと考えております。

グローバルサクセッション コミッティー体系図

ダイバーシティの推進

日本国内の問題として、日本国民の1/3以上が65歳以上となると言われる2025年まで、あと7年程度しかなく、早急な対応が必要です。
当社では、既に技能員の働き方高度化、間接部門の業務改革による生産性向上を進めておりますが、加えて、女性とシニアの活用を軸としたダイバーシティを推進することにより、対応を図っております。
例えば生産ラインの自動化を進めると、ロボットのメンテナンスやプログラミングといった仕事がより重要となります。このような仕事は、女性やシニアの方にも活躍いただけます。会社としては、活躍の場が用意できるよう、制度の拡充に取り組んでおります。

また、従業員の皆さまに長く活躍頂くために、健康には力を入れております。ユニークな取り組みとしては、全従業員を巻き込んだウォーキング・キャンペーンや、肥満傾向のある従業員を対象とした2泊3日の食事・運動指導があります。この食事・運動指導については、対象者4,5名につき1名の保健士がつき、適切な食事の摂取量、運動量を学んで頂いており、半年間取り組むと、4,5kg痩せる方が多く、その効果に私も驚いております。

取り巻く環境は、徐々にスピードを増しながら変化しております。その中でも、常に健全な危機感を持ち、望ましい未来に向けて、さらに取り組みを深めてまいります。ステークホルダーのみなさまにおかれましては、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。