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ベアリング

“回る”ものは全て軸受の品質に左右される。
ベアリング
ベアリングの開発に関わったエンジニアのプロジェクトストーリー

実験解析技術部
軸受実験解析室
髙橋 譲

配属

髙橋には理解出来ない事ばかりだった。

入社して解析技術部(現:実験解析技術部)に配属された。
自動車メーカーから新型車のトランスミッション
などに使用する軸受の開発依頼が来る。
設計部署とデザインレビューを行ない
製作した試作品が届く。

その試作品の寿命や回転損失などを評価・検証する部署だった。

解析技術部には大きくふたつの業務があった。
ひとつは製品開発を行なう業務。
もうひとつはコア技術を深めていく業務だった。

髙橋はいきなりとんでもないプロジェクトに

参加することになる。

動き出したプロジェクト

髙橋が入社する少し前、
総合技術研究所企画部の中で、
「これから環境問題が重要になる。
それに対応するには従来の技術だけでは足りない。
さらに技術を深化させなければならない。」
環境問題を考える研究員がいた。

上野主任研究員だった。
「トルク損失がこれまでの10分の1のものを作ろう」と言い出した。

最初は誰も取り合わなかった。 だがやがて、その熱意に研究部の同僚が
「やりましょう」と言い始めた。
そして様々な部署のエンジニアが集まりだした。
半年間フィジビリティ・スタディ(実現可能かどうかという検討)
を行った結果、何とかいけそうだという結論になる。

“トルク10分の1化 ”プロジェクト、スタート。
その頃だった髙橋の入社は。

不安と疑問

配属されてすぐ、訳も分からない髙橋は
「これをやってくれ」と言われる。
軸受の形状をいろいろ変えて
どのぐらいのトルクになるのかという実験だった。
延々試し続けた。
実験は行なうもののこれがどう役立つのか
理解出来なかった。

髙橋の配属が決まった時。
先輩の荻野主任と川口主任は、
このプロジェクトに参加させようと決めていた。
もちろん一人でやるわけではなかったが。
時間がかかる試験で、黙々とこなさなければならない。
何種類も形状を試したり細かな隙間を変えたり。

髙橋は思った。
なぜ、新入社員の私にやらせようと思ったのだろう・・・ 。
 

最先端技術の実験は続く

入った時は一般的な玉軸受のことしか知らず、
円すいころ軸受を見て「こんな形もあるんだ」と思った。

玉軸受は荷重の軽いものに向いている。
円すいころ軸受は荷重の大きいものに向いている。
ボールだと点、円すいだと線で荷重を支える事ができる。

世界のほとんどの自動車に
円すいころ軸受が使われている。
回転損失の小さい円すいころ軸受は
ニーズにマッチした最先端の技術だった。

実験は続いた。

夢の計画

実験をやって結果が出る度、
ミーティングが行なわれた。
解析技術部はもちろん、
基礎技術研究部、自動車軸受技術部、知的財産部
様々な部署が関わっていた。
ミーティングに参加すると、
このプロジェクトの大きさを実感することができた。

トルク10分の1「夢への計画」だった。

ミーティングで先輩の松山主任がその結果を
まとめて報告する。
この開発の本当の凄さがそこで分かった。

衝撃が体を駆け巡った。

到達

開発に手応えを感じはじめた。

どういう形状にすればどういう
効果がでるか、分かってきた。
ここにいくまでに長さを変えてみた、
大きさを変えてみた、アール部分にも手を加えた。

そして、最適な形状へたどり着く。
あとはそれがどこまで効果があるかを実験した。

2006年 新聞発表。
3年半の月日を費やした結果だった。

ただ、目標の10%ではなく20%だった。

しかし十分な効果は得られる結果だった。


先輩たちの大きな存在

髙橋は思った。

発案者の上野主任研究員。
後のチームリーダーの戸田主任研究員と松山主任。
先輩の荻野主任、川口主任。

知識の量、物事の理解度、仕事の進め方。
そして、プロジェクトにかける熱い想い。
「この人たちに追いつくことができるのだろうか・・・。」

髙橋は彼らの圧倒的な存在を感じた。

プロのエンジニアとして

「JTEKTの一員としての誇り、
それが自身への原動力となっている。
20%まではたどりついたが、10%への段階はかなり難しい問題。
しかし、トルクに関する技術力を
さらに昇華させていきたいと思っています。」

そして、「このプロジェクトでかかわった先輩のように
自分が企画して新しいものを開発して世に送り出したい。」

 

「自ら製品を考案できるエンジニアになりたい。」

新入社員の自分に、
このプロジェクトに参加させた上司の
“プロのエンジニアに育ってほしい”

という想いの深さを理解し始めた。