2010年 横山社長 年頭あいさつ
「質」の更なる向上による確実な成長軌道へのシンカ！
～新たな時代に柔軟に対応できる仕組みづくりと定着 ～
新年明けましておめでとうございます。新しい年の初めにあたりご挨拶申し上げます。
昨年度は、08年度に発生した百年に一度といわれる金融経済危機の影響により、日・米・欧を中心とした先進国の経済が大打撃を受けましたが、その影響は、想定をはるかに超えるインパクトとなりました。そんな中、中国やインドを中心とする新興国においては、大幅な経済発展を遂げ、先進国に代わって、世界経済を牽引するまでに成長しました。即ち、今までとは異なり、先進国に代わって新興国が世界経済を牽引するという、まさに新しい時代に突入してきたと強く感じております。また、今回のような急激でかつ大きな環境変化を見ていますと、従来のように、ある期間は景気が悪化減速するものの、またそのうちに戻ってくるだろうというような生易しい景気循環で、世界が動いていくものとも思えません。また、世界の人々、世界のお客様が求めるものが大きく変わって来つつあります。環境変化への対応度合い及び、新興国への対応戦略如何によっては、現在の業界における勢力地図も大きく塗り変わる可能性が潜んでおります。これらの流れを見ていますと、ひとつの時代が終わりを告げ、新しい時代が始まったと認識すべきだと思っております。
このような状況の中、ジェイテクトは5年目を迎えました。当社は「クオリティー・ファースト・カンパニー」を目指し、合併以来、一貫して「質のシナジー効果」を追求してきました。全社をあげた努力により、多くのシナジー効果を産み出してきたと思っておりますが、今回の環境変化を体験し、我々の弱い面がたくさん浮き彫りになりました。顕在化した弱さを克服するために、一つひとつの仕事のやり方そのものを変えていく必要があります。その原点にあるのが、「お客様第一」と「For What」であります。昨年までにやれたことは「仕組み」として定着させ、今後もシンカさせて行かねばなりません。また、やり切れていないことは「仕組み」づくりを迅速に行い、定着させ、「新たな時代に柔軟に対応できる仕組みの再構築」を進めてまいります。それが更なる質の向上に繋がり、確実な成長軌道に乗せるための基本だと思っております。
また、本年は、ティムケン社のニードル軸受事業を譲り受けたことにより、ジェイテクトグループに新たな仲間を迎えることが出来ました。産機市販分野を含めて生産供給・開発拠点が大幅に強化されますし、たくさんのお客様がこのニードル事業に注目しております。この事業を早期に軌道に乗せると同時に、ジェイテクトの従来事業とのシナジーを創出し、技術力の強化とお客様の期待に応えることが出来るよう努力していかねばなりません。
いずれにしましても、本年は、この新しい時代を企業体質・収益体質を強化するチャンスと受け止め、全社一丸となって、「将来の成長に備えた土台づくり」が完遂できる年にしたいと思っております。
