ドローンの姿勢制御システムの開発に着手
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、社長:近藤 禎人、以下「ジェイテクト」)は、自動車の操舵をつかさどる電動パワーステアリングのコンピタンスを基に、ドローンの姿勢や速度などを制御するシステム「フライトコントローラー」の開発に着手しました。
(写真左から)ジェイテクトの姿勢制御システムが搭載されたドローン(提供:プロドローン社)、
フライトコントローラー試作品
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Vision を掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォーム(以下「テクプラ」)を活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センター(以下「ソリセン」)の開設を進めています。
この度の、ドローンの姿勢制御システムの開発は、ジェイテクトがテクプラとソリセンによってソリューションプロバイダーへと飛躍することの先駆けとなる開発発表です。
1.開発背景
少子高齢化・人口減少、インフラの老朽化などの社会課題がある中、ドローンを設備点検や貨物輸送に利用することが広がり、このために信頼性の高い国産ドローンのニーズが拡大しています。そのような中、ジェイテクトでは2022年より、ドローンの運動性能向上に貢献するソリューションとして高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddy®をドローンメーカー各社に提案しております。
これまでの取り組みに加えて、ジェイテクトは自社の持つコンピタンスを活かすことで、ドローンの姿勢制御の信頼性を高めるフライトコントローラーを開発し、ドローンの性能向上への更なる貢献を目指します。
※Libuddyは株式会社ジェイテクトの登録商標です
2.製品の概要
点検・測量や短距離物流に利用されているマルチローター型ドローンは、複数のプロペラのローター回転数を制御することで飛行しています。この制御には、複数のセンサに基づく安定姿勢の演算とローターへの指令といった高い応答性が求められます。
これに対し、ジェイテクトの電動パワーステアリングで培ったモーター制御技術や安全設計技術といったコンピタンスを活かして開発を進めているフライトコントローラーをドローンに搭載することで、高い応答性や姿勢安定性および信頼性を兼ね備えた姿勢制御を実現し、従来品と比較し突風発生時の安定性向上が確認できました。
さらに、ジェイテクトの高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddy®との相乗効果により、高性能なドローンの姿勢制御を実現していきます。
3.今後の展望
現在、ジェイテクトが出資しております、ドローン関連のスタートアップである株式会社プロドローンとの共創にて、継続的な飛行試験、各種要素試験による姿勢制御システムの開発、検証を進めております。
今後、ドローン業界および社会への貢献を目指し、ドローン各種機体へのフライトコントローラー量産販売に向けた取り組みなどを進めてまいります。
今後もジェイテクトは「ジェイテクトの基本理念」の最上位に掲げる「地球のため、世の中のため、お客様のため」を実践したモノづくりを推進してまいります。
4.今回の開発品を通じて達成可能なSDGsの目標とターゲット
■9.産業と技術革新の基盤をつくろう
ジェイテクトグループでは「2035年オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」に向けて、事業活動に取り組んでおります。
<参考:ジェイテクトのドローンに関する取り組み>
・2022年3月3日 高耐熱リチウムイオンキャパシタが水素燃料電池ドローンの補助電源に採用
・2022年6月20日 ジェイテクト製 高耐熱リチウムイオンキャパシタ搭載の水素燃料電池ドローンが試験飛行に成功~日本最大のドローン展「Japan Drone2022」に出展~
・2023年 2月24日 ジェイテクト、産業用ドローンメーカー「プロドローン」と協業 社会課題解決に技術で貢献
・2023年4月20日 「空飛ぶ軽トラ」の開発目指すプロドローンに資本参加 社会課題解決目指す産業用ドローンメーカー
・2023年5月25日 物流網を支えるドローンに貢献 愛知県採択の「空と道がつながる愛知モデル2030」に参画