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Interviewsアスリート・インタビュー

未来のメダリストたちが語り合う63分20秒。三者三様のオリンピックへの情熱

女子レスリング 志土地 真優、ジェイテクトStingers 西本 拳太、女子プロゴルフ 清本 美波

今回のアスリート・インタビューはジェイテクト初の試みとして、取材の様子をマスコミの皆さんにも公開するトークショー形式で実施しました。

登壇したのは2021年東京オリンピック レスリング女子フリースタイル53kg級金メダリストの志土地 真優選手、2024年パリオリンピックにバドミントン男子シングルスの日本代表として出場したジェイテクトStingers 西本 拳太選手、そして2023年にプロテストにトップ合格した女子プロゴルフの清本 美波選手です。

読者の皆さんにも当日の雰囲気を感じ取っていただけるよう、インタビューの全容を公開します!

(インタビュー日:202523)

寒空の下、異競技トップアスリートたちの熱い交流が実現

23日、前日の大寒波の影響で交通機関の乱れが心配される中、ジェイテクト本社の「RESTAURANT ONLY ONE」にジェイテクト所属のトップアスリートが集った。

レスリングの志土地 真優選手、バドミントン ジェイテクトStingersの西本 拳太選手、そしてプロゴルフの清本 美波選手だ。

きっかけは清本からの「オリンピック出場を目指す上で、オリンピック出場経験のあるジェイテクトの選手にお話を伺って、自分に何が足りないのか知りたい」というリクエストだった。お互いに顔を合わせるのは今日が初めてだと言う三人は「他競技のトップアスリートと直接語り合えるという、この貴重な経験を活かして自身の成長につなげていきたい」と前向きな様子でトークショーに臨んでくれた。

01志土地.JPG

<志土地 真優>1997622日生まれ、三重県四日市市出身。幼少期に空手を始め、5歳でレスリングに転向。レスリングの名門・至学館大学を卒業後、20204月にジェイテクトに入社。これまで世界選手権でも複数回優勝しており、2021年の東京オリンピックでは女子フリースタイル53kg級で金メダルを獲得。昨年11月には第一子となる男の子を出産。




02西本.JPG

<西本 拳太>1994830日生まれ、三重県伊勢市出身。埼玉栄高等学校から中央大学に進学し、全日本学生選手権で3連覇を達成。卒業後はトナミ運輸に所属し、2022年にジェイテクトに加入。バドミントン国内最高峰リーグであるS/Jリーグでは昨シーズン、ジェイテクトStingersの初優勝に貢献。2024年パリオリンピックに男子シングルスの日本代表として出場。長身を活かした鋭いスマッシュや粘り強さを武器に活躍している。



 

03清本.JPG<清本 美波>2005829日生まれ、愛知県一宮市出身。幼少期に父の影響でゴルフを始める。2018年の全国中学校ゴルフ選手権春季大会で優勝し、2023年にはプロテストにトップ合格。現在はジェイテクトに所属し、国内外の大会で活躍している。パワフルなショットが魅力。





活躍の秘訣と素顔を探る、アスリートたちの本音トーク

三人には事前にお互いへの質問を募集しており、その質問に沿ってトークショーは進む。

清本▶▶志土地・西本に聞きたいQuestion

―レスリング、バドミントン、ゴルフは基本的に個人競技ですが、団体競技をしてみたいと思ったことはありますか?

サッカー観戦が好きな清本は「先日、全国高校サッカー選手権の決勝戦のPKをテレビで観ていました。その時に、サッカーのようなチームスポーツでは、一人ひとりがチームへの責任を負うのだという重大さを感じて、改めて私は個人競技が向いているなと思いました」と、質問の背景について補足した。

西本:「団体競技をしてみたいと思ったことは無いです。僕も個人競技で頑張りたいです」

志土地:「私はバレーボールをやってみたいな、と思います。レスリングは個人競技ではありますが、団体競技のようにコーチやトレーナー等皆で喜びを分かち合えることは素晴らしいことだと思います」

 

―食事管理はしていますか?

清本からの事前質問には「私はついつい食べ過ぎてしまい、体重管理ができなくなってしまいます」というコメントも。

西本:「僕も清本さんの年齢の頃は今よりも食べていましたし、体脂肪率を減らしたいと思ってもなかなか減らない時期でした。ただ、プロにとっては競技で成績を修めるのが一番大事なことですよね。食事を我慢するのが良いのか、体重という数字にとらわれることがストレスになってしまうのか、ゴルフの結果に対して何が一番プラスになるのかという観点で考えれば、答えが見つかると思います」

志土地:「私は大会に向けて減量があるので、自作のはちみつレモンを炭酸水で割って、食事の前に飲むことで食べ過ぎを防いでいます。炭酸水は気も紛れて、お腹も膨れるのでオススメですよ」

二人の経験に基づいた的確なアドバイスを受けた清本は「試合中は楽しみが食べることになってしまって・・・ですが、食べ過ぎてしまうことで、体のキレが悪くなったり、体力が持たなかったりするので、パフォーマンスを上げるために自分にとってのベストが何かを考えます。今日から炭酸水飲みます!」と返した。

 

志土地▶▶西本・清本に聞きたいQuestion

―バドミントンもゴルフも試合時間が長いため、集中力が必要になると思います。普段集中力を高めるために意識していることはありますか?また、集中力を高めるトレーニングをしていますか?

西本:「集中力を高めようとすると余計に集中できなくなるので、とにかく“勝つためにやるべき事”にフォーカスして、やるべきことを整理しています」

バドミントンは対人競技であるため、相手がどのような攻撃をしてくるか、常に考える必要がある。西本はインターバルの時間も、試合の流れを読んでどのようなプレーが良いのかを考えたり、コーチにアドバイスをもらったりすることに充てている。

清本:「ゴルフの試合時間は約5時間、ずっと集中するのは難しいですね。そのため、練習ラウンドの時点でゴルフコースの各ホールの距離等が記載されているヤーデージブックにゴルフクラブの番手や気を付けるポイントをメモすることで、試合中にあまり考えなくて良いように準備しています」

 

試合を迎えるにあたって、事前の準備はどの競技でも重要のようだ。
レスリングは3分試合、30秒休憩、3分試合の計6分間という短い時間で勝敗が決まる。志土地も「短い試合時間の中で結果を残すには、考えるのではなく感覚で動けるように日々の練習から準備している」と、清本の話に頷いた。

アスリートたちは、そもそも試合中にどのようなことを考えているのだろうか。

西本:「勝つために、相手のちょっとした変化を感じることにだけ集中しています。それは対人競技で一番重要なことだと考えています」

志土地:「心の中で“絶対に勝ちたい、勝ちたい”と言い聞かせています」と、二人が勝ちたい気持ちを前面に押し出す一方で、清本の「私は・・・終わったら何を食べようかな」との回答には参加した記者からも笑いが起きた。

 

ここまでのインタビューで、勝つために各々が実践していることが見えてきたが、きっと「これだけは誰にも負けない」という核のようなものがあるはず。「我こそは、という方からお答えいただけますか?」と話を振ると、すかさず西本がマイクを握った。

西本:「“諦めの悪さ”は誰にも負けないですね。東京オリンピックでは出場権を得られなかったので、そこから3年間、心が折れずに頑張った結果、パリオリンピックの出場権を勝ち取ることができ、今の僕があると思います」

清本:「私は“切り替えの早さ”です。悔しくて、どうしても泣いてしまう日もあるのですが、ちょっとお昼寝して起きたら元気になります。泣くことで気持ちがスッキリします」

と回答する二人に対し、志土地は「誰にも負けないところは特に無い」と言う謙虚なコメント。「ただ、強いて言うなら27歳になって子供を産んでもレスリングを辞めていないので、一つの競技をずっと続けていられる“継続力”ですかね」と続けた。

 

志土地の回答に西本は「トップ選手と言われる方は皆、粘り強さがありますよね。辛い時期もありますが、そのときの競技を好きな気持ちや、“絶対に自分の目標を達成したい”という想いを原動力に踏ん張れる力を兼ね備えているというか・・・それが一番必要なものかもしれないですね」と共感を示した。

ここで“目標設定”というキーワードも出てきた。「目標から逆算して、今何をすべきか考えるのはどの選手も取り組んでいることだろう」とアスリートたちは分析する。これはスポーツだけでなく、どんな職業にも勉学に励む学生たちにも通ずることだと、ハッとさせられる。

 

西本▶▶志土地・清本に聞きたいQuestion

―試合中のルーティーンや試合前のゲン担ぎはありますか?

清本:「私はあえてそういうのを作らないようにしています。それが出来なかった時にどうしようと怖くなってしまうので」

志土地:「会場の雰囲気にのまれないように、試合前に一度会場の雰囲気を見渡してから入場するようにしています」

二人の答えを聞いた西本、「実は僕も清本さんと同じです。ルーティーンを決めると気にしてしまうのが分かっているので、お二人には何かあるのかな、と気になって質問しました」とのこと。

 

ゲン担ぎと言えば、西本は背番号の51がラッキーナンバー。清本選手と志土地選手にも何かラッキーナンバーやラッキーカラーなどがあるのだろうか。

昔からピンク色が好きだと言う志土地。大会によっては規約の関係で着用できない場合もあるが、愛用するのはピンク色のシューズだ。東京オリンピック内定を決定づけた世界選手権でも足元はやはりピンク色。

一方で、特にこだわりは無いと答える清本。中には“最終日はこれを着る”と決めているゴルファーもいるが、清本はその日の気分でウェアを選ぶことで、気分転換を図っているようだ。

 

―シーズンオフの過ごし方や日ごろのストレス発散方法は?

西本は「休日は特に何もしないか、韓国ドラマを観ています。趣味がゴルフなのでコースを周るのも好きですが、バドミントンにはシーズンオフが無いので、シーズンオフが欲しいです・・・」という、海外遠征から帰国したばかりだからこその本音も。

志土地:「サウナが好きなのでサウナに行ったり、ショッピングでリフレッシュしたりしています。基本的にレスリングをしているときは化粧ができず、アクセサリーも身に着けられないので、ショッピングでは洋服を見に行くことが多いです」

清本:「私は美容ですね。“何かを変えたい”と思って髪を切ったり、ネイルを変えたり。基本、一人で行動するのが好きで、最近は一人カラオケにハマっていました。皆の前で歌える曲を歌えるようになりたいなと、MISIAさんの曲を練習しています」

一人で出掛けたり、何も考えない時間を作ったり、日ごろから自分の時間を大切にしていると口を揃える三人だが、一人カラオケについては「僕は一度だけ一人カラオケ挑戦したのですが、1時間で心が折れたので、もう行くことは無いです()」、「私は一人カラオケをしたことはありますが、あまり歌が上手ではないので・・・」と話す西本と志土地であった。

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