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「シンジさん」と「和幸」。二人のタカハシが語るジェイテクトSTINGS愛知
男子バレーボール ジェイテクトSTINGS愛知 キャプテン高橋和幸、GM髙橋慎治
激動の2024-25大同生命SVリーグが終了し、はやくも1ヶ月。シーズンが終わった今も変わらず体育館に向かう二人の声を聞くことができました。
ジェイテクトSTINGS愛知のキャプテンとして2024-25シーズンではチームを率い、同シーズンでの大同生命SVリーグチャンピオンシップ出場に導いた、高橋和幸。大学卒業後、数々の社会人チームを渡り歩き、STINGSをチャレンジリーグの猛者からトップリーグの強豪に引き上げ、現役引退後は監督としてV.LEAGUE DIVISION1 2019-20シーズンでは優勝を果たし、現在はジェイテクトSTINGS愛知のGMを務める髙橋慎治。
キャプテン・GMというそれぞれの立場でチームをけん引する彼らは、名前だけではなく、どことなく似た雰囲気を持っています。そんな二人のリーダーが考える、ジェイテクトSTINGS愛知の強み、そしてチームに対する思いに迫りました。
苦難のシーズン
2024-25シーズンは、和幸選手にとってSTINGSのキャプテン就任後初のシーズンだった。
任命された当時の心境を尋ねると、「特にプレッシャーとかはなかった」とあっさりとした回答が返ってきた。「すごい選手がいっぱいいるから、特別僕が何かをするってことはない」。チームメンバーのことを心から尊敬し信頼しているからこそ出る、素直で彼らしい一言だった。
一方で、チームにとっては決して順風満帆なシーズンとはいえなかった。
シーズン中盤、故障者が続出し、試合はもちろん、練習さえ満足にできないような状況に陥っていた。このような状況では当然ながら、試合でも思うような形でパフォーマンスを発揮することができないでいた。シーズン開幕前は優勝候補の一角という下馬評を得ながらも、2025年2月にはリーグ5位まで転落していた。
当時のチームの状況について、「難しかった」とキャプテンとして和幸は本音を漏らす。
試合中、目が合わなくなるメンバーがいたり、それを見た他の選手の雰囲気も悪くなる。望むような結果も得られない中、なんとか状況を打開しようと試合後に声をかけてまわったり、遠征中のホテルでチームメイトたちと夜まで話したりしたこともあったそうだ。
負け試合の後、チームのみんなで飲みに行くこともあったという。
「しょうもない話しかしませんけどね」と言いながら、和幸キャプテンのその表情からチームメイトへの愛がよく伝わる。
うまくいかないときが、チームを強くする
ただ、焦っていたのはキャプテンだけではなく、「このままじゃだめ、どうにかしたい」という気持ちが選手全員にあったという。
日々苦しい状況にもがき続ける中で、結果こそすぐに出ないものの、メンバーの心は徐々にひとつになっていった。「みんながチームのために」そんな成績が低迷した苦しい時期だからこそ思いがひとつになっていた。だからこそ、怪我で離脱していたメンバーが戻ってきたときに、これまで以上の力を発揮できたのではないかと振り返る。
「怪我人がいるときも、残っているメンバーがチームのために頑張ろうという土台ができていって、チーム力があがった。チャンピオンシップでしっかり合わせられた。」
シーズン後半、故障者の復帰とともに着実に結果を残し始めたSTINGS。そしてついにたどり着いたチャンピオンシップ。レギュラーシーズンの結果では10勝以上も差があった大阪ブルテオン相手に、アウェーゲームで2戦連勝を収め、ファイナル進出を決めた。
逆境をともに乗り越えたチームの絆が、ついに実を結んだ瞬間だった。
GMも「ベタ褒め」するキャプテン
そんなSTINGSを見守っていたGM髙橋もまた、「積み重ねた我慢が、終盤に結果として現れた」とSTINGSのもつ本来の力について評価する。
二人は、名字が同じなこともあって、「シンジさん」「和幸」と呼び合う仲。
実は、和幸キャプテンがSTINGSに入団するきっかけを作ったのは、当時監督を務めていた髙橋慎治だったという。直後のシーズンで監督交代となったため、実際に二人が同じコートで選手監督の立場となることはなかったが、「この人の下でやってみたいと思った」と話すように、当時から波長の良さを感じていたそう。
そんなGM髙橋もまた、和幸キャプテンは「唯一無二の存在」と絶賛する。
自身も長いバレーボール人生の中で、キャプテンや監督といった立場を経験した髙橋だが、「今回STINGSがここまでこられたのは間違いなくキャプテンの力」と力説してくれた。
「言いたいことを言い合える関係性を作るのがうまい」
「人を引き寄せる力があり、上からも下からも慕われる」
褒められて恥ずかしそうに頭をかき、何も言えなくなる様子は、まさに愛されるキャプテンそのものだった。