Interviewsアスリート・インタビュー
「とにかく必死だった」GM1年目
2021年に監督としての役割を終えた後、チームの運営・サポートに携わってきた髙橋もまた、新たなポジションでの1年を過ごした。
GMという大役を任されることになった当初は、「自分にできるかな」という不安がよぎった。自分にはまだ求められる知識や経験が足りないのではという気持ちがありながらも、選手たちも様々なチャレンジをする中、自分も、という想いで話を受けたという。
ただ、実際にやってみると、思ったようにはいかない。
「失敗を極力を少なくしたい気持ちがあって、行動に移せない場面も多くあった」とGM就任当時を振り返った。
あるべき姿は、まだわからない。けど
今後GMとして目指す姿は、と尋ねると、「これが一番難しいんですよね」と苦笑いを浮かべた。
GMというのは、選手と会社の間に立って契約内容などを調整する立場でもあるため、選手とはある程度の距離感が必要だとされることもある。信頼関係を築く一方で、客観性を失わないような関わり方が求められるのも、GMという立場の難しさだ。
ただ、一方で、自分自身も選手・監督として長くバレーボールに携わってきたからこそ、わかること・伝えたいことがある。そうした想いがありながらも、昨シーズンはあえて距離をとって「やらなかった」ことへの反省が多かったからこそ、今シーズンはより選手に近い存在のGMになっていきたいと話す。
他のチームのGMから直接話を聞いたりして、しっくりくるGMとしての理想像を探しているが、髙橋自身まだこれだというものには出会っていないようだ。「それが本当に正解かどうかはわからないが」と前置きをしながらも、チームに寄り添って動けるような存在になっていきたいと、静かな熱意を見せた。
いわゆる“GM”としての型に近づけるのではなく、自分にとってのベストを追い求める。彼もまた、“唯一無二のGM”になろうとしているのだ。
地域・家族・そしてファンに支えられ
最後に、「二人が考えるSTINGSの強み」とは?という質問を投げかけてみた。
二人の口からまず出てきたのは、ファンの存在。
昨シーズン、STINGSの観客動員数は過去最高を記録し、会場での応援の大きさは話題になっていた。和幸キャプテンも「はじめて鳥肌が立った」「普段はプレーに集中しているので聞こえないことも多いけど」とファンからの熱量に驚いていたという。観客を沸かせたい、そういう気持ちもまた一つチームの力に確実につながっていたという。
GM髙橋もまた、ファンからのパワーを強く感じたシーズンだったという。
特に、自身がプレーしていた時代と比べるとバレーボール業界自体も別格の盛り上がりを見せていて、会場に向かうまでの電車で「STINGSのユニフォームを着てじゃらじゃらとストラップをたくさんつけたファンを見かけると、うれしかった」と話す。「うちのホームゲームの試合は一番の雰囲気」そう得意げに語ってくれた。
ジェイテクトでは社会貢献活動の一環として、地域住民向けにバレーボール教室を開催している。和幸キャプテンも、昨年徳島で行われた会に参加し、子供たちとの触れ合いを通じてその喜びを感じたという。一度にたくさんの子供たちを教えることに対し「大変だけど、元気をもらえる、また頑張ろうって思える」と柔らかな笑顔を浮かべ、日本代表としての活動も控える中、限られた時間ではあるが、今後もこうした活動への意欲を見せた。
SVリーグ終了後の、岡崎市役所への表敬訪問の際も、たくさんの市民・職員の方に迎えられ、温かい声をいただいたという。「岡崎といえばSTINGS」と言われるような、より地域に根差したチームにしていきたい、GMもその熱意を語った。
みなさんに愛してもらえるチームに
STINGSの強さについて、GM髙橋は、ファンと選手の間に相互的な力があると語る。
ファンの応援が選手たちを勇気づけるように、選手たちが見せてくれる熱さや一体感があるからこそ、試合を見守る観客もより熱を帯び、会場全体がさらに盛り上がる。その相互作用の結果が、今のSTINGSの強さにつながっているのだろうと話してくれた。
だからこそ、これからも「みなさんに愛してもらえるチームに」。
それぞれの目指す姿に向かって、キャプテン・GMとして2年目の躍進を誓う。
ファンの方へのメッセージ
<和幸キャプテン>
これからもっとバレーボールが面白いっていうのを見せていくので、また会場にきて大きな声を出して自分たちの力になってくれると、とても嬉しいです。今シーズンもジェイテクトSTINGS愛知を応援よろしくお願いします!
<GM髙橋>
みなさんに愛してもらえるチームに、昨シーズン以上の盛り上がりを見せられるように頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします。