採用情報

お問合せ

Interviewsアスリート・インタビュー

日本のバドミントンを牽引してきた二人が現在見ている景色。

ジェイテクトStingers 古賀 輝、バドミントン選手 松友 美佐紀

 111日、バドミントン日本最高峰のリーグ戦、S/Jリーグの2025シーズンが開幕しました。ジェイテクトStingersの初陣は1129日(土)の一宮大会。拠点を構える愛知県での開幕戦です。1年ぶりの王座奪還を目指すチームは、4月に新メンバーとして古賀 輝 選手を迎え入れました。

 古賀選手は、2012年の日本代表初選出以降、男子ダブルスで国内トップクラスの成績を残し続け、2024年からは混合ダブルスでも戦果を上げているベテラン。入部初年度から、S/Jリーグでの活躍が期待されています。そんな古賀選手がこの11月、熊本マスターズ、オーストラリアオープンで、共に世界の強豪としのぎを削るパートナーが松友 美佐紀 選手。松友選手は、2010年から15年間、古賀選手よりもさらに長い年月を日本代表として過ごした先輩に当たり、2016年にはリオデジャネイロオリンピックで日本バドミントン史上初となる金メダルを獲得しています。

 日本のバドミントンを牽引してきた熟練同士のダブルス結成の裏には、松友選手とジェイテクトの意外な「縁」がありました。本インタビューでは、二人のこれまで、そして現在見ている景色について聞かせてもらいました。(取材日:20251031日)

☆IMG_1694.JPG

オフシーズンの無いバドミントン業界。そのトップ選手の生活

 「バドミントンは年間を通じて国際大会が開催されます。その結果で毎週ランキングが更新され、オリンピックや世界選手権の出場権を国内外で争っている。国内で1週間合宿してから23週間続けて海外遠征。一番大会に出ていた頃は、1年で250日くらい家を空けていたかもしれない」日本代表の生活について、松友はそう話す。


 バドミントンのトップ選手の生活には、オフシーズンがない。日本では、毎年11月から3月にかけてS/Jリーグが開催されるが、それ以外にも重要な個人戦、団体戦は多く開催されている。個人戦では、日本ランキングサーキット、全日本社会人、全日本総合バドミントン選手権が国内ランキングに、世界各国で年中開催されるBWFワールドツアー、世界選手権が世界ランキングに大きく響く。団体戦では、総力をかけて戦う全日本実業団バドミントン選手権大会で、日本での所属チームの順位が決まり、トマス杯・ユーバー杯・スディルマンカップで、世界での日本の順位が決まる。日本代表選手たちは、国内外での個人戦で結果を残しながら、団体戦で所属チームや日本の勝利に貢献しているのだ。さらに、松友は「体育館での練習が無い日もトレーニングは毎日やるので、完全にオフという日はあまりない」とも話す。

インタビュー1.jpg

 日本代表としてハードスケジュールを長く過ごしてきた両者だが、2025年は今まで組んでいたダブルスパートナーが引退したことで、変化の年となった。この4月、古賀は9年間所属したチームを離れ、ジェイテクトStingersに入部。松友も15年間所属したBIPROGYを退社し、フリーとなった。松友は現在、自身の試合出場に加え、様々な場所での練習に参加する日々を送っており、その活動については「日々勉強中」だそうだ。

 環境が変わった今シーズンの抱負について伺うと、古賀からは「団体では、S/Jリーグの出場機会があれば全勝して、チームに貢献したい。個人では、男子ダブルス、混合ダブルスで出場予定の12月の全日本総合で決勝まで進み、日本代表を目指したい。また残り3回の混合ダブルスの世界大会で、1つでも多く勝って、世界で通用するレベルを目指したい」と熱のこもった言葉が出された。

 そして松友は「選手として成長していくのは当たり前だと思っているので、これからもその想いでやっていきたい。また日本だけでなく、世界の選手ともたくさん戦っていきたい」と自然体ながらも意志の強さを感じる抱負を語った。

戦略とコンビネーションが勝負を左右するダブルスの世界

古賀と松友は、それぞれダブルスで日本代表選手として活躍してきたが、高校時代にはシングルスでのインターハイ優勝経験がある。ダブルス選手の道を選んだ理由を尋ねると、古賀は「人が多い方が相手の崩しがいがあって楽しい。逆を突くなど、戦略が広がる」と、松友は「コートに4人いるダブルスの方が圧倒的に難しさを感じる。難しい方への挑戦を選んだ」と回答。シングルスと比べ、戦略的な部分がより鍵を握るダブルス。古賀は「世界大会に出場し始めた頃は誰とやるにも格上でがむしゃらにやっていたが、現在はビデオを見て相手の癖を分析して戦ったりしている」と教えてくれた。

練習.jpg

 ダブルスではコンビネーションが重要になってくる。これまでも二人は、海外遠征時に練習することや、直接対決することがあったそうだ。20255月のランキングサーキット混合ダブルスの準決勝で渡辺・松友ペアに敗れた古賀は「対応力が圧倒的でトラウマになった」と話す。お互いのイメージを聞くと、古賀は松友に対し「うまい、正確でミスが少ない」と技術力を称え、松友は、古賀の「見ていて楽しい、面白い発想をたくさん持っている」というバドミントン選手の中でも特に豊富な意外性の引き出しの多さに関心を寄せていた。

松友の言葉のとおり、古賀は相手の意表を突くトリッキーなプレイや、得点後の印象的なリアクションなどで注目されることの多い選手だ。そのイメージについて聞くと、古賀は「裏をかくプレイは、大学生、社会人くらいから相手の弱点や癖を見抜くことに力をいれてきたため。動きやリアクションはバドミントンを楽しみ過ぎていると自然に出てしまう(笑)」と答えた。

インタビュー2.jpg


 このダブルスでの戦略を聞くと、古賀は「トリッキーなプレイは、良い面もあればミスにつながる可能性もある。ミスをなくしつつ、点差に余裕があるときは自分から仕掛けていきたい。自分のプレイで相手をくずしつつ松友さんにしっかり決めてもらうというコンビネーションをつくっていきたい」と、松友は「自分も古賀さんもパワーで押すタイプではないので、プレイの中でいろいろなことを試していきたい。これからの自分たちが成長していくためのイメージを得られる2大会にしたい」と応じた。

二人は、練習相手になったことはあるが、「一緒にコートに入ってペアとしてプレイしたことはほとんどない」そうだ。さらに松友は、「正直どんな風になるか想像がつかない。面白い発想のプレイをする古賀さんと一緒に戦う立場でやれるのは楽しみ。練習期間は長くないので、それぞれでしっかり準備して臨みたい」と語り、その言葉からは、お互いの個の力を信頼しながら、コンビネーションを通じて新しいものが生まれることを楽しみにする様子がうかがえた。

熊本マスターズ.jpeg

熊本マスターズ3位入賞。見事なコンビネーションで会場を沸かせた二人

一覧へ戻る