お客様とともに
社会背景
ISO26000で「消費者課題」が中核主題の1つとして取りあげられているように、消費者の権利への意識が世界的に高まっています。また社会との持続可能な関わり方を価値創造プロセスに組み込むことが企業に求められる中、ステークホルダーとの対話がより重視される傾向にあります。
ジェイテクトの考え方
社会全体をお客様と捉えて
ジェイテクトは、お客様の期待を超える価値を提案し、お客様の一番の相談相手となることを目指しています。また、ジェイテクトの製品は、クルマ、鉄鋼、鉄道、航空、宇宙など、さまざまな産業で使用されており、社会課題を解決し、SDGsへも貢献していきます。近年では、「Human Harmonics」をコンセプトに、社会環境の変化に対応し、お客様により身近にお役に立てる製品の開発にも注力しています。ジェイテクトは、その社会的責任を強く自覚し、直接お取引のあるお客様はもちろん、社会全体までもお客様と考え、常に良品廉価での価値提供に努めています。
品質方針と品質保証体制
品質はお客様のものという考えから、「お客様第一」を念頭に品質方針を定め、さまざまな品質向上活動に取り組んでいます。「設計品質・製造品質」を強調し、それぞれの段階における品質を追求することが、商品品質全体の向上と、お客様からの信頼獲得につながると考え、品質保証体制も整備しています。また方針の浸透・定着のため、全社で掲示・唱和を行っています。
品質方針
私たちは品質第一に徹し、お客様の信頼と満足を得る魅力ある商品を提供する。
- お客様の立場に立った判断とスピードある行動
- 全員の創意と工夫による設計品質、製造品質のつくり込み
品質保証体制
2020年度の主な活動
[ 品質 ]
重要品質問題の根絶に向けて
「品質のジェイテクト」とお客様から評価される水準のKPIを達成するため、品質保証本部を中心に、開発・生準・製造の課題への取組みを軸に品質向上に取り組んでいます。
- 開発:問題を繰返させない“しくみ“の構築
- 生準:開発・生準由来の問題の徹底的な潰し込み
- 製造:お客様に安心・賞賛して頂けるフロアマネジメントの実現
- EDER(※1):市場クレームの一段の低減:「外に出る」取組みの定着
※1 EDER 早期発見・早期解決を意味する、Early Detection Early Resolution の略。
品質マネジメントシステムの定期審査を通じて改善
第三者機関による定期審査を通じて品質管理の仕組みを常に改善し続けています。
(主な取得済み認証)
- ISO9001(品質マネジメントシステムの国際規格)
- IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)
- AS9100(航空宇宙防衛産業向け品質マネジメントシステム)
風土改革とお客様満足度向上への取り組み
ジェイテクトでは毎年11月を品質月間と定め、品質に対する意識高揚を図ることを目的に、ポスター・品質標語の募集・掲出や、改善に向けた各部署における討議など、さまざまな活動を実施しています。
お客様満足度調査の実施
主要顧客を中心に毎年行う満足度調査を2020年度も実施。①品質、②デリバリー、③技術対応力、④コスト対応力、⑤技術・営業サービスの5項目の満足度が向上するよう、浮かびあがった課題を全社で共有し、より早く的確に解決するよう努めています。
お客様各社から表彰
さまざまな品質向上活動の成果として、ジェイテクトはお客様各社から賞をいただいています。
2020年度の主な表彰
地域 | 客先 | 地域 | 客先 | 地域 | 客先 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 愛知機械工業 | 欧州 | 欧州 GM | インド | インド トヨタ |
いすゞ自動車 | 中国 | 中国三菱(GMMC) | 南米 | ブラジル Honda | |
エクセディ | 広州トヨタ(GTMC) | ブラジル GM | |||
クボタ | JOHN DEERE | ||||
北米 | 北米GM | アセアン | タイ日野自動車 | ||
北米Honda | 日本 マツダ |
[ コミュニケーション ]
JTEKT VIRTUAL FAIR 開催のご案内
2020年11月16日(月)〜2021年1月31日(日)の期間、Webサイトにて「JTEKT VIRTUAL FAIR(オンライン展示会)」を開催しました。工作機械・メカトロニクス製品を中心に、当社の最新技術・最新マシンをご紹介しました。
<主な展示内容>
- オンラインショールーム
- スペシャルセミナー
- オンライン相談予約
- EVパビリオン(今後に成長が期待される電気自動車市場向けのご提案)

羽田空港地域における自動運転の実証実験を実施
当社は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」の東京臨海部実証実験へ参画しており、2020年6月8日から7月16日に羽田空港地域における自動運転の実証実験を実施しました。
本実証実験で得られた成果を基に、当社技術を更にブラシュアップし、次世代公共交通システムの実現へ寄与することで、高齢者や交通制約者などのモビリティ確保やドライバー不足の改善・コスト低減等の社会的課題の解決に貢献してまいります。
【実験車両】
【仮設バス停への正着制御】
第2世代内製MCU搭載電動パワーステアリングを日産自動車の新型「ローグ」に搭載
第2世代内製MCUを搭載した電動パワーステアリング(EPS)が、日産自動車株式会社の新型「ローグ」(20年10月下旬より北米で販売開始)に採用されました。
MCUシステムを自社開発することで、お客様のニーズにスピーディでフレキシブルに対応することが可能となり、当社主力製品であるEPSの性能を最大限に発揮することが可能となっています。
今後、より機能安全性能を高め、自動運転にも対応する製品を世界各国の自動車メーカーへ提案を進めて参ります。
<開発品の特徴>
●新世代ステアリング制御JWillの採用
新開発のステアリング制御JWill※を採用し、緻密なチューニングにより、幅広いお客様の操舵感への拘りに応えることが可能となりました。
※JWill:操舵感向上のためトルクフィードバック機能を取り入れた新世代のEPS制御
●モデルベース開発、AUTOSAR対応などに基づく新たな組み込みソフトウェアを採用
20年からソフトウェア開発の拠点となった東刈谷事業場を軸に、ジェイテクトIT開発センター秋田と連携したソフトウェア開発を行っています。
<今後の展開>
ADASレベル3,4の自動運転を見据え、国際規格ISO26262に準拠する機能安全性を備えたMCUを搭載するEPSの開発を進め、お客様のニーズに応じて必要な機能を有する製品を競争力ある価格で提供してまいります。