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大変革時代への挑戦総合ギヤビルダーとして「Gear Innovation Center」を新たにオープン

自動車事業本部副本部長 牧泰希

Interview

世界的に環境課題への関心が高まっていて、日本政府も「2050 年に温室効果ガス排出ゼロ」を宣言しています。自動車業界においても、CASE やMaaS といった大変革に加えて、カーボンニュートラルへの対応は避けて通れない課題となっており、今後に車両の電動化が加速するのに伴い、電動ユニット(eAxle) の需要も急速に高まっています。
この電動ユニット(eAxle) には、小型化、高強度化、高回転化、高効率化、低騒音化などが求められていますが、そうしたニーズに応えるために、新たに総合ギヤビルダー構想を立ち上げて、「Gear Innovation Center」をオープンすることになりました。
この取組みについて、自動車事業本部副本部長 牧泰希にインタビューを行いました。

総合ギヤビルダーとして目指すこと

大変革時代において、自動車の主要ユニットはCASE の進展に伴い大きくその構造が変化していきますが、そこに使われる基盤となる要素や技術は不変であり、その技術力の優劣が今後の自動車の競争力を左右すると考えていました。当社には、自動車部品、ベアリング、工作機械などで培った解析技術やモノづくりのノウハウがありますので、それらの強みを融合することで他社にはないOnly One 技術をもつ歯車や減速機を提案していく総合ギヤビルダーが目指せると考えました。
「Gear Innovation ~あなたの想う歯車を世界に届ける~」 をコンセプトに掲げて、総合ギヤビルダーとしてベアリングと合わせたユニット構造解析技術を活用し、歯車のみならず、歯車加工設備をお客様にご提案していきたいと考えています。

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製品を作るだけではなく、さまざまなソリューションを提案

今後、自動車の電動化が進む中で、これまでにはない高い効率や静粛性などが求められていきます。そうした電動自動車に使われる電動ユニット(eAxle) にも、小型化、低コスト化といった要求とともにさらに厳しい使用条件下で歯車のかみあいを正常化するニーズが高まると想定しています。
私の30 年以上にわたる歯車設計、解析の経験から、常々、ベアリングを含めた歯車の支持部変形と歯当たりを思い通りにコントロールする3D 歯面修整加工技術が量産加工で実現できれば、例えば歯当たりの抜け(片当たり)を防止することで局所面圧を30% 低減することで歯車をサイズダウンしたり、負荷トルクに応じた歯面修整形状とすることで低騒音化することが期待できると考えていました。
ジェイテクトグループにはスカイビングや歯研といった世界トップクラスの歯車加工技術があり、これら加工機の加工シミュレーション技術の開発を進める中で3D 歯面修整加工の量産化に挑み、実現できるようになりました。
さらに当社のシミュレーション技術では、歯車やベアリングの構造最適化に貢献することもできると考えています。
これにより、小型かつ高耐久、低騒音の高性能な歯車や減速機を製品化してご提案し、小型化による新製品の開発及び資源の低減に取り組んでいきたいと思います。
また、ジェイテクトグループのギヤスカイビングセンタを中心としたギヤラインビルダーとしての強みを活かして、工程集約による生産変動や工程変更にフレキシブルに対応し、AI 技術を活用した工具寿命予測による工具費削減などのソリューションを提供することで効率的、安定的な歯車生産をご提案していきたいと思います。

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「Gear Innovation Center」でできること

ジェイテクトグループとして 「Gear Innovation Center(歯車開発センター)」を当社の刈谷工場内に11 月にオープンし、お客様のニーズに対応した高性能歯車を超短期でご提案していく体制を整備していきます。
このセンター内には、旋盤、ギヤスカイビングセンタ、高速浸炭炉、円筒研削盤、歯研盤、歯車測定器などを常設し、総合ギヤビルダーとしてお客様の想う歯車の開発に貢献していく予定です。

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Gear Innovation Center開所に関するニュースリリースはこちらへ
https://www.jtekt.co.jp/news/210930.html

総合ギヤビルダーのその先へ

当社が培ってきた解析技術やモノづくりのノウハウを集積し、総合ギヤビルダーを目指す取組みに大きく舵を切りました。
まだ船出したばかりですので、この先の荒波は覚悟していますが、お客様が求める歯車や歯車加工設備をご提案していきたいと思います。
そして、その先に目指しているのは、安心・安全・快適でお客様により身近にお役に立てる製品が世の中にあふれることであると思います。
「あなたの想う歯車を世界に届ける」ことを通じて、そうした世の中に貢献してまいりたいと思います。

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