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低炭素社会の構築
2016年11月、地球温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」が発効されました。世界共通の長期目標として、地球平均気温の上昇幅を産業革命前と比較して2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に押さえるよう努力することが求められおり、今世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることも明記。企業においても直接的・間接的なCO2排出を削減する一層の取り組みが必要となっています。ジェイテクトでは国内外グループ全社工場で、製品の設計から納入までの全プロセスにわたる省エネ化や物流改善、再生可能エネルギーの利用促進を推進しています。
主要な2018年度実績
生産におけるCO2排出量(単独) 131.1t/億円 (16.0%減)
生産におけるCO2排出量(グローバル) 150.3t/億円 (12.8%減)
物流におけるCO2排出量 1.82t/億円 (18.6%削減)
再生可能エネルギー導入量 10,576kW (累計)

TOPIC

2030年CO2総排出量目標の設定に向けて

ジェイテクトは、「ジェイテクト環境チャレンジ2050」で掲げたCO2排出量“極小化”の実現に向けて、その中間目標として、2030年の中長期目標を設定します。
2030年総排出量目標の考え方
COP21パリにて合意された「産業革命前からの気温上昇を2度あるいはそれを下回ることを目標とする」いわゆる「2℃目標」と整合して設定しています。
目標値
2013年度比26%削減をグローバルでの目標値として設定しております。
国内については生産技術革新と工場の日常改善によるエネルギー削減に先行して取組み、2013年度比で35%以上の削減を目指します。
気候変動に関するシナリオ分析
2030年CO2総排出量目標の設定にあたっては、TCFDの気候シナリオ・分析の枠組みを用いて、気候関連のリスクと機会を評価し、中長期目標の検討を行っていきます。
※TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures
金融安定理事会によって設立された「気候変動関連財務情報開示タスクフォース」気候変動シナリオを用いて、自社に与える気候関連リスクと機会を評価結果に基づき経営戦略・リスク管理を見直し、財務に与える影響開示を求めるもの

ジェイテクト単独CO2総排出量(実換算係数)

グローバルCO2総排出量(実換算係数)

【CO2排出量算出に用いる換算係数】
2020年までのCO2排出量原単位管理では、自社の改善効果を評価できるよう換算係数を固定。2021年以降の総排出量管理では、より実態に合ったCO2排出量とするため、購入電力会社ごとに、年度ごとの実換算係数(マーケットベース)を用いて算出しています

活動報告

生産におけるCO2排出量削減

単独
ジェイテクトでは、CO2排出量原単位を2020年度までに2008年度比で15%削減する目標を設定し、活動しています。2018年度は前年比で生産量が2%増加したのに対して、CO2排出量を4%削減し、CO2排出量原単位は2008年度比で16.0%削減しました。
またエネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下、省エネ法)の定期報告に基づく事業者クラス分け評価制度では、最高のSクラスに評価されています。
CO2排出量
217,395t-CO2
内製生産高当たり排出量
131.1t/億円(16.0%減)
生産におけるCO2排出量・原単位推移
CO2排出量
CO2排出量 原単位
グローバル
ジェイテクトでは国内外のグループ会社も含めたCO2排出量削減に取り組んでいます。2018年度のCO2排出原単位は2012年度比で12.8%削減し、2018年度目標を達成することができました。
内製生産高当たり排出量
150.3t/億円(12.8%減)
グローバルCO2排出量・原単位推移
CO2排出量
CO2排出量 原単位

「環境チャレンジ2050」実現への取り組み

「環境チャレンジ2050」に掲げた目標達成に向け、第1ステップとして策定された「2020年度環境行動計画」に基づき、各種省エネ対策を推進しています。

1.非稼動停止活動

ジェイテクトでは、全工場の主要生産ラインのエネルギー使用量を把握する「エネルギー見える化」の環境整備を昨年度までに完了しました。これにより設備が非稼動時に消費する待機エネルギー量を把握し、生産現場でできる省エネ取り組みを全工場で推進中です。

2.原動力設備の高効率化

2018年度はポンプ類のインバータ化、高効率空調機への更新、パルスエアによるブロー改善等により、555t-CO2の削減を実施しました。

主な実施内容
国内工場:岡崎工場

アルミ溶解保持炉の効率運用改善

従来は、材料を投入するタイミングが作業者の経験に委ねられていたため、投入に遅れが生じることで溶解バーナが空焚き状態となり、エネルギーロスが発生していました。そこで省エネ支援システム「みえるダイカストMiELDieCAST」を導入。操業状態の見える化により材料の種別や投入タイミングがわかるようになり、溶解バーナの効率化を図りました。
主な実施内容

エネルギー見える化/表彰制度

ジェイテクトでは、2016年から17年にかけてエネルギー見える化環境の整備を進めてきました。これまでの設備更新中心の活動には限界があり、今後はさまざまな現場の改善活動を一本化し意欲的に活動を加速させることが重要であり、18年度は見える化を使った全社改善活動の第1回目を開催し、優秀な取り組みをした3ラインが社長から表彰されました。19年度は更に現場のGLが中心となった見える化改善活動を実施していきます。

表彰制度受賞者の声

竹本 康則 軸受事業本部 亀山工場 製造部 第3生産課

今回の受賞は大変光栄に思います。取り組んだNo.12ラインは稼動して30年が経過しますが、まだまだ“輝ける”と言う強い信念で改善を進めました。“成功体験”を武器に他ラインにも活動を展開して参ります。

省エネ診断

新たな省エネアイテムの創出や省エネ診断の出来る人材育成を目的に、18年度は奈良・亀山・田戸岬の3工場でパナソニック環境エンジニアリング殿、日立産機殿の協力の下、省エネ診断を実施しました。19年度は社内診断チーム自立化への仕上げの年としてトヨタ自動車殿の支援により、花園・奈良・岡崎の3工場+国内グループ会社の診断を実施していきます。また診断技術者も固定し、スキルマップを用いて弱みや課題を把握し、診断の現場にてOJTにより育成を図っていきます。

再生可能エネルギーの導入

2018年、中国の無錫にあるWKBとKNBW、KAWの3工場でそれぞれ612kWと1426.8kW、1,001kW、また、国内グループ会社の光洋機械工業と豊幸でそれぞれ326kWと200kWの太陽光発電システムを設置しました。これにより年間2,460tのCO2排出量を削減できる見込みです。また、ジェイテクト単体では、これまで698kWの再生可能エネルギーを導入し、グループ全体では10,576kWとなりました。

太陽光発電(WKB:中国)
主な実施内容
国内グループ会社:光洋機械工業株式会社

太陽光発電の導入

国内グループ会社の光洋機械工業株式会社で、326kWの太陽光発電システムを結崎工場に導入しました。2012年度に固定価格買取制度(FIT)による全量売電方式で100kWの太陽光発電システムを八尾工場に導入しており、今回と合わせて426kWとなります。これにより、光洋機械工業株式会社の全電力使用量の2%を再生可能エネルギーで賄える見込みです。今後も環境負荷が少ない再生可能エネルギーの導入に取組み、自然と調和する工場づくりを進めていきます。

太陽光発電(光洋機械工業株式会社 結崎工場)
主な実施内容
海外グループ会社:KLF(中国)

カラクリの導入

KLFは、お客様の環境に配慮したサプライチェーンの構築に貢献する為にCO2排出量を年間6%削減する目標を設定し、取り組みを進めています。今回、KLFではハブユニットの内軸研磨の搬送工程にて、「からくり機構」を導入し、エネルギー使用量の削減を図りました。従来の搬送工程では、モーターやシリンダーなど多数の動力を用いて搬送を行っていました。しかしながら、動力を用いることはエネルギー使用量が増加するだけでなく、安全性や故障時の修繕工数にも影響を及ぼします。「からくり機構」では、傾斜を活用した無動力搬送装置や重りを活用することで、1個のモーターと5個のセンサーを除き、無動力での自動搬送を実現しました。結果、42個のモーター、69個のシリンダー、12個のセンサーの削減を行い、改善前の80%にあたる電気使用量48,000kw/年、CO2排出量を年間35t削減することができました。

私のCSR
後列:Shoumin Zhang, Zuoyun Chen, Hui Yang, Fei Fan, Wubin Gao
前列:Linsheng Huang, Xiaogang Jiang, Deguo Chen, Tian Luo, Cheng Xiao(JCC:中国)
※左から順に
全員で改善に取り組むことで全てを可能に
「からくり」に関しては、私たちにとって全く新しい取り組みであり、実践的な経験が少なく、全員が学びながら進める非常に困難なプロジェクトでした。常に困難に直面しながらも全員が絶えず成長し、今全員で成功を分かち合えることに喜びを感じています。大きな目標に挑戦するためには、まず全員が協力し、自信を持たなければならず、改善活動は私たちにその機会を与えてくれ、前に進む貴重な機会となっています。今後も、からくり改善を通じて、難しい作業や従業員の負担軽減を目指し、安全性、品質、生産性の分野において、更なる改善を進めていく予定です。その中でメンバーが「からくり職人」として更に成長できればと考えています。

生産技術革新によるCO2削減の取り組み

目的・ねらい
2020年度CO2削減目標(2001年比1/2)に向けて、生産技術革新によるCO2削減に取り組んでいます。
活動指針
生産性向上しエネルギー(CO2)原単位改善は比例するを活動方針にすべての生産設備投資を対象にCO2削減に取り組む。
活動テーマ
1)生産技術開発 革新テーマ
2)新規設備投資CO2削減アイテム折込み 〔新設▲30%、改造▲15%〕
3)主要11設備※ CO2削減取組み
※ 温間鍛造、熱間鍛造、連続炉、連浸炉、バッチ炉、ダイカスト、 軸受加工5設備
取組み内容
1)つくり方革新による加工エネルギー削減
 ・鋳鍛造、熱処理工程の超精密化による加工設備の削減
 ・高速加工、複合加工による設備台数削減
2)計画段階での省エネアイテムの折込み
 ・「エコシート」による省エネチェック、省エネ投資の促進
 ・設備の小型化、電力回生、高効率機器、エアーレス化等の採用
自動車部品新規生産ライン
軸受新規生産ライン

事例1)つくり方改善

精密アルミ鋳造による工程削減・省エネ
①ハイブリッド溶解保持炉 鋳込み温度精度均一化
 溶解保持炉:2015年開発~ 2018年 チューブバナー化

炉体サイズ:面積6.0㎡ × 高さ1.8m(従来サイズ ▲40%)

②金型温度制御 面冷却+減圧冷却システム

切削工程数 7工程 ⇒ 5工程
省エネ率 従来比 ▲50% 達成

事例2)省エネ設備開発

内製設計・製作 小型カップ洗浄機による省エネ
洗浄機:2014年開発~ 2018年 エネルギーロス低減・全電動化

設備サイズ:面積1.5㎡ × 高さ1.5m (従来サイズ ▲50%)
省エネ率 従来比 ▲30% 達成

物流におけるCO2排出量削減

2018年度は、物流業者の協力により燃費の良いトラックの導入やドライブレコーダー、デジタルタコメーターの活用によるエコドライブの運転手への指導により、結果CO2排出原単位の改善につながりました。JR化(モーダルシフト)の拡大及び積載率向上・効率化によりCO2排出量原単位は1.82t/億円と前年比で排出量を約5%削減しました。2019年度はJR化(モーダルシフト)の拡大及び通常トラックのフルトレーラー化やフォークリフトの電動化の継続推進でCO2の削減に取り組みます。
モーダルシフト
大型トラックなどによる貨物の輸送を、鉄道や船舶による輸送に転換すること
売上高当たり排出量
1.82t/億円(前年比 約8%削減)
物流におけるCO2排出量・原単位推移
CO2排出量
CO2排出量 原単位
モーダルシフトの推進

■2018年度

①トラック燃費向上やエコドライブの励行を原単位に反映、又中部地区の工場から九州地区へのトラック輸送をJR化し、600t/年のCO2排出量を削減しました。

JR化拡大状況

②物流車両(リフト)のバッテリー化推進により10t/年のCO2排出量を削減しました。

全社エンジン→バッテリーリフト導入台数

■2019年度

①JR化拡大とフルトレーラー化推進及び船舶活用を検討してゆきます。

<フルトレーラー化>
<船舶活用検討>
安全・環境対策会議

2018年度は8月に立上った浜松と関東、中部、関西の4物流センターで運送業者を集めて、油漏れ点検の充実、深夜早朝の荷役音への注意などについて現場で意見交換を行いました。また会議の席上では引き続きCO2削減の為、ドライブレコーダーやデジタルタコメーターを活用した運転手へのエコドライブの指導・教育の協力要請を行いました。

《関東地区》
《中部・浜松地区》
《関西地区》