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低炭素社会の構築
2016年11月、地球温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」が発効されました。世界共通の長期目標として、地球平均気温の上昇幅を産業革命前と比較して2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑えるよう努力することが求められており、今世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが明記されています。また、2020年10月には、日本政府においても「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言。企業においても直接的・間接的なCO2排出を削減する一層の取り組みが必要となっています。
ジェイテクトでは地球温暖化を防止し、気候変動による様々な影響を軽減するためグループ全体で2040年のカーボンニュートラル達成に向け、事業活動に伴うエネルギー使用量を極小化し、製品の設計から納入までの全プロセスにわたる省エネ化や物流改善、再生可能エネルギーの利用促進を推進して参ります。
主要な2020年度実績
生産におけるCO2排出量(単独)
生産におけるCO2排出量(グローバル)
物流におけるCO2排出量
再生可能エネルギー導入量
TOPIC TCFDへの対応

ジェイテクトは、事業における中長期の気候関連リスクと機会を特定し、当社の取り組みの適応力(レジリエンス)を評価して、投資家をはじめとするステークホルダーへ情報開示することが、持続的に成長できる企業の条件であるとの考えから、G20金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の最終報告提言への支持企業として2018年に賛同を表明しました。
今回はジェイテクトにおける気候変動への取り組みを、TCFDのフレームワークに沿って開示します。
今後はシナリオ分析に向けて、国際エネルギー機関の2℃シナリオ(2DS)の他、2℃を下回るシナリオ(B2DS)、気候変動対策が進まないシナリオなど、複数のシナリオを選定し、将来の“社会像”を設定した上で、気候関連リスクと機会を特定して取り組みの適応力(レジリエンス)を評価。更には気候関連リスクと機会が、財務に与える影響を評価・開示することも検討していきます。

【TCFDのフレームワークに沿った取り組み】

活動報告

生産におけるCO2排出量削減

単独
ジェイテクトでは、CO2排出量原単位を2020年度までに2008年度比で15%削減する目標を設定し活動を推進してきました。
2020年度は前年度比で生産量が16%減少したのに対して、CO2排出量を13.8%削減し、CO2排出量原単位は2008年度比17.1%削減しました。
2021年度以降は、原単位目標から総排出量目標に変更し、2025年度までに2013年度比で35%、2030年度までに60%削減するチャレンジ目標を設定し活動していきます。
またエネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下、省エネ法)に基づく事業者クラス分け評価制度では、2017年度以降継続して、最高のSクラスに評価されています。
CO2排出量
176,631t-CO2
内製生産高当たり排出量
129.4t/億円(17.1%減)
生産におけるCO2排出量・原単位推移
CO2排出量
CO2排出量 原単位
グローバル
ジェイテクトでは国内外のグループ会社も含めたCO2排出量削減に取り組んでいます。2020年度のCO2排出原単位は2012年度比で10.2%削減し、2020年度目標を達成することができました。
内製生産高当たり排出量
154.8t/億円(10.2%減)
グローバルCO2排出量・原単位推移
CO2排出量
CO2排出量 原単位

「環境チャレンジ2050」実現への取り組み

2020年度までは、第1ステップとして策定した「2020年環境行動計画」に基づき、各種省エネ対策を推進してきました。
2021年度以降は第2ステップとして策定した「2025年環境行動計画」に基づき、「環境チャレンジ2050」に掲げた目標達成に向け対策を推進していきます。

1.エネルギー見える化/表彰制度

ジェイテクトでは、2016年から2017年にかけて、全工場の主要生産ラインのエネルギー使用量を把握する「エネルギー見える化」環境を整備しました。
2018年度からは、見える化を用いた全社改活動を開始するとともに、より意欲的な活動の推進を図るべく表彰制度を運用しています。
2020年度は2回の表彰を開催し、合わせて550件を超える改善を実施しました。
2021年度以降も開催を継続し、見える化による改善活動を推進していきます。

表彰制度受賞者の声

池上 貴志 田戸岬工場 製造部 ITCC生産課

工場理念である全員参加で活動を進め、関係部署と連携し現地現物で活動することで大きな成果を上げることができ、今回の受賞でさらにメンバーへ意識付けできたと考えております。今後はさらなるステップアップを図り活動を継続して参ります。

2.省エネ診断

新たな省エネアイテムの創出や省エネ診断技術者のレベルアップを図るべく、社内診断チームにより2020年度は刈谷工場並びにグループ会社である豊興工業株式会社の診断を実施しました。
診断により創出されたアイテムは全工場に横展開され、省エネ活動推進に貢献しています。
2021年度もまた、社内診断チームにて四国工場並びに国内グループ会社2社の診断を実施する予定です。

省エネ診断
超音波流量計による冷却水の流量測定

3.リフロー炉:断熱による消費電力削減 花園工場

改善前
・リフロー炉カバー部より放熱
改善後
・カバー部に断熱ジャケットを取り付けて放熱を低減、ヒーターの消費電力を削減

4.創意工夫提案制度

ジェイテクトでは、全社員を対象とした改善提案制度として「創意工夫提案制度」を運用しています。
本制度では、CO2削減に関連する提案も含まれており、エネルギー毎の単価を定めて、効果を算定しています。

内部カーボンプライジングの取り組み

カーボン・プライシングとは、炭素税や排出量取引などにより炭素に価格を付けることで、CO2の排出削減に対する経済的インセンティブを創り出し、気候変動への対応を促すことを目的とする制度です。

ジェイテクトでは、炭素価格の設定までは出来ていないものの、インターナルカーボンプライシングとして、新規設備を導入する際、稟議書に設備のエネルギー使用量と製品1個あたりのCO2排出量を記載した「エコシート」を添付しています。
これらにより、従来設備と比較して、新設・開発機の場合は製品1個あたりのCO2原単位を大幅に削減するよう投資判断の基準を設定し、運用しています。

TOPIC
省エネ大賞
「資源エネルギー庁長官賞」の受賞

当社は、一般社団法人省エネルギーセンター主催の「2020年度省エネ大賞(省エネ事例部門)」において、当社の「CO2ゼロチャレンジへの取り組み」が、「資源エネルギー庁長官賞(小集団活動分野)」を受賞しました。
「省エネ大賞」は、優れた省エネへの取り組みを推進している事業者や事業場、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するもので、この度、当社の『CO2ゼロチャレンジへの取り組み』が評価され、当社としては初めての受賞となりました。
ジェイテクトでは、「環境チャレンジ2050」に基づきCO2排出量の極小化に向けた取り組みを推進しており、このたびの受賞は、2016年から取り組んできた「CO2ゼロチャレンジ」における、現場の改善を中心とした大幅な省エネルギー削減の成果が評価されたものです。
今後もジェイテクト環境理念「All for One Earth」のもと、「環境チャレンジ2050」の実現に向けてジェイテクトグループ一丸となってチャレンジしてまいります。

省エネ大賞
再生可能エネルギーの導入

2020年度は、日本・中国・マレーシアの全5工場で計3,285kWの太陽光発電システムを導入し、年間1,340tのCO2排出量を削減しました。
これにより再生可能エネルギーの導入量は、ジェイテクト単体では2.27MW、グループ全体では17.5MWとなりました。
今後もCO2排出量の削減を目的に、2030年にジェイテクト単体で25%以上、グループ全体で20%以上の再エネ導入率を目指して積極的に取り組んでいきます。

※再エネ導入率=再エネ電力量/全電力使用量

主な実施内容
国内工場:花園工場 
海外グループ会社:KLF(中国)、JAMY(マレーシア)

ジェイテクトは2020年度に、花園工場で計240kWの太陽光発電システムを導入しました。
花園工場では、これまでの導入量と合わせ、1,168kWの太陽光発電を導入しており、全電力使用量の約6%を再生可能エネルギーで賄っています。
マレーシアのJAMY、中国のKLFでは、それぞれ858kW、2,053kWの太陽光発電システムを導入。
中国では合計で6,564kWの導入となり、全電力使用量の約5%を再生可能エネルギーで賄っています。
今後も環境負荷が少ない再生可能エネルギーの導入に取り組み、自然と調和する工場づくりを進めていきます。

花園工場
花園工場
KLF(中国)
KLF(中国)
JAMY(マレーシア)
JAMY(マレーシア)
主な実施内容
岡崎工場

最新鋭ガスコージェネレーションシステム導入による省エネ、コスト削減の推進。
世界的な脱原発化により化石燃料の需要が増えCO2削減の動きがみられる中、岡崎工場では最新鋭のガスコージェネレーションシステムへの更新による高効率化や、老朽設備を省エネ性の高い物に更新しそれらをエネルギーサービス(リース)として行う事で初期投資やランニングコストの平準化を図りました。
また既存の設備の運用を見直すことによりエネルギー費の削減を図るエネルギーマネジメントシステムも導入し更なる省エネを推進しています。

私のSDGs
山崎 弘勝
山崎 弘勝 岡崎工場 工務部 総務課(写真前列右端)
岡崎工場の環境負荷低減活動
岡崎工場の鋳造工場には、当社唯一の鋳鉄造型ライン、他にアルミダイキャストラインがあります。その鋳鉄造型ラインで使用する鋳物砂からなる排出物排出量は当社内で最大、廃棄物原単位も最も高くなっており、また、鋳鉄溶解ラインでは莫大な量の電力を使用しています。
このような状況を改善し、低炭素社会,循環型社会の構築を進めるため、岡崎工場では環境保全に関する年度目標を策定するとともに対策アイテムの積み上げを行い、温暖化対策省エネ部会や資源循環部会等の部会活動を中心に目標達成に向け、環境保全活動を推進しています。
例えば、自家発電で電気と熱を供給するコージェネを昨年、最新鋭に更新し高効率化、さらに運用改善のためエネルギーマネジメントシステムを導入しました。また鋳鉄造型ラインにおいては、中子で使用する鋳物砂のリサイクル化を推進する等、一つ一つの活動を地道に積み重ね、大きな効果が出るよう工場一丸となって活動を進めています。
今後も、省エネルギーやリサイクル等、環境負荷軽減による低コスト化を通じ、地域のために、そして世の中のために貢献して行きます。

生産技術革新によるCO2削減の取り組み

目的・ねらい
2020年度CO2削減目標(2001年比1/2)に向けて、生産技術革新によるCO2削減に取り組み、削減目標を達成しました。
また、2025年、30年の新たな目標に対し、継続取り組みを行っています。
部会活動
「生技革新CO2削減部会」活動を通じて、ESG経営・CO2削減と合わせて、お客様ニーズの多様化への対応と、多品種少量生産に対応した小規模汎用ラインの構築を行っています。また製品についても電動化をはじめ大きく変化しつつあり、この100年に1度と言われる激しい変化の中で、材料まで遡った工法革新による省エネ・省資源を追求しています。
1個流しにこだわった「素形材・熱処理革新 取代1/2化」活動、「取代削減⇒省機・省工程⇒省エネ・省資源」によるCO2削減の取組み事例を紹介します。
主な実施内容

【開発事例1】省エネ・高精度鋳造工法の開発

ハイブリッド溶解保持炉の進化と横展
炉体を小型化、高断熱化により炉体放熱量を削減し、浸漬型チューブバーナー 及び 浸漬型ヒーターを採用することで、保持バーナーを廃止し、熱効率を向上、CO2を従来比50%削減しています。
また、金型改善による高精度鋳造にも取り組み、後工程の取代削減による省エネにも貢献しています。
【開発事例1】省エネ・高精度鋳造工法の開発
花園工場:DC4、DC10、DC11 3台稼働中、拡大予定
【開発事例1】省エネ・高精度鋳造工法の開発
断熱コーティング
セラミック製中空バルーンを添加した断熱塗料高放射率εとなることで、放射熱損失を低減します。
炉体表面温度 【断熱塗装前】
炉体表面温度 【断熱塗装前】
総熱量 21.5kW
【断熱塗装後】
【断熱塗装後】
総熱量 14.75kW(▲30%)
花園アルミ鋳造工程の効果
従来比 ▲50%のCO2削減実施。 花園DC4、DC10、DC11 の3台対策済、拡大予定

【開発事例2】温間サイジング工法開発

現行CVJの成形工程は、温間鍛造4工程で荒成形したのち、制御冷却し潤滑剤を塗布、カップ内外を冷間サイジングしています。
開発では、温間鍛造4工程にサイジング工程を取り込み、工程集約・設備削減を実施、▲16%の省エネに取り組んでいます。
CO2排出量削減
田戸岬 CVJ鍛造工程効果
温間鍛造工程の集約、サイジング工程の取り込みにより、設備・工程の削減と中間在庫の削減を実施、従来比 ▲16%のCO2削減見込みです。

【開発事例3】e-GL 管理ボードの開発

「e-GL 管理ボード」は、生産ラインの安全や品質の状況の他、人員配置やリアルタイムの可動率、直行率、電力の使用量等が見える化され、データとして記録されます。
ラインの生産性状況、CO2排出量や原単位がリアルタイムで確認でき、蓄積データ分析、省エネ改善に活用します。
「e-GL 管理ボード」
サイクルタイム異常と録画機能のリンク
サイクルタイム異常と録画機能のリンク
原因調査・分析(チョコ停ウォッチャー再生)
原因調査・分析(チョコ停ウォッチャー再生
原因究明
原因究明
改善
奈良 C-EPSラインでの効果
可動率+2%向上、改善期間6カ月短縮、ペーパーレス 1600枚/年の削減 を達成、CO2原単位削減に貢献生産ラインのリアルタイム情報と、過去データ蓄積・見える化により、更なる工程改善、生産性向上につなげています。

物流におけるCO2排出量削減

2020年度は、物流業者様の協力による低燃費トラックの導入やドライバーへのエコドライブの協力要請又運送便の統廃合により、CO2排出原単位の改善に繋がりました。
また、JRコンテナ化及びフルトレーラー化による積載率向上・効率化とコロナ渦による荷量減少に伴い前年比で排出量が約20%減少しました。
2021年度も引き続き、JRコンテナ化の維持・拡大及び通常トラックのフルトレーラー化や積載量変動を見極め、トラック便の改廃推進等で更なる削減に取り組み、CO2排出量原単位1.61t/億円、排出量10.9千tを目標として推進します。
CO2排出原単位
CO2排出量推移
主な取り組み

物流におけるCO2排出量削減

1)2020年度

①トラック燃費向上やエコドライブを原単位に反映した効果とトラック輸送のJRコンテナ化継続、又東海地区の物流センターから関東地区へのフルトレーラー化を実施し積載効率を上げCO2排出量の削減を実施しました。

JRコンテナ化
JRコンテナ化
フルトレーラー化の実施例
フルトレーラー化の実施例

②物流車両(リフト)のバッテリー化を実施

バッテリーリフト化
バッテリーリフト化
2)2021年度

①2020年度の取り組みを継続して、JRコンテナ化及びフルトレーラー化の維持・拡大を推進していきます。
②物流車両(リフト)の更新時はバッテリー化を継続推進していきます。

安全・環境対策会議(3回/年 定期的に開催)

2020年度はコロナ渦により物流業者様とリモート会議にて、環境負荷低減のための議論を実施しました。
2021年度も引き続き定期的に開催し環境負荷低減に取り組みます。