従業員とともに -
健康面の取り組み

社会背景

国民医療費の増加や生産年齢人口の減少など社会環境の変化が進む中、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」の考え方が企業に広がっています。
従業員の健康維持・増進を行うことは、医療費の適正化や生産性の向上、さらには企業の持続的成長に向けた前提条件であり、そうした取り組みに必要な経費を将来に向けた「投資」ととらえ、企業が主体となって従業員の健康増進・疾病予防に資する取り組みを行うことが求められています。

健康宣言

私たちは社員とその家族の健康が最も大切であると考えます。
心身が健康であってこそ、幸福で豊かな生活を送ることができます。
また健康でいきいきと働くことを通して、豊かな社会づくりに貢献することができます。
ジェイテクトグループは社員と家族の健康増進や疾病予防に向けた取り組みを支援し
健康第一を実践できる職場づくりに努めることを宣言します。
2018年10月
株式会社ジェイテクト
 取締役社長 安形哲夫

「健康経営優良法人2019(大規模法人部門)~ホワイト500~」に3年連続で認定

健康経営優良法人制度とは、地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している企業を顕彰する制度です。
当社は従業員の心と身体の健康づくりに向けた取組みを積極的に行っており、その活動が評価され、平成31年2月21日、「健康経営優良法人2019(ホワイト500)」に3年連続で認定されました。

健康経営優良法人2019(大規模法人部門)~ホワイト500~

2018年度の主な活動

[ 心の健康づくり ]

メンタルヘルス対策を継続して推進

うつ病など精神系疾患の発症予防を主眼としたメンタルヘルス対策を地道に推進していますが、2018年度新規休業者は20歳代が減少し、50歳代が増加しました。20~30歳代は工場技能職から多く発症しており、個人的要因(コミュニケーションやストレス耐性)や職場の人間関係の問題によるものが多いことがわかりました。その結果を受けて、工場監督者には部下の異常を早期発見・対応に主眼をおいたメンタルヘルス教育を、20歳代の社員には、コミュニケーション能力向上研修を実施しました。その結果、20歳代からの発症は減少しました。

ストレスチェックの実施

自己のストレスへの気づき、心理的負担の程度を把握する目的でストレスチェックを実施し、高ストレス者で面談を希望する従業員にはカウンセリングを行っています。高ストレス者のうち、医師による面接指導前に保健師との面談を希望する従業員は116人、医師による面接指導を希望する従業員は1人でした。高ストレス要因は、会社要因(仕事の負荷、上司との人間関係、業務や職場環境への不適応)が64%、個人要因(性格、介護、健康不安)が36%でした。仕事の負荷の平準化や職場の人間関係の改善がメンタルヘルスを向上させる重要な要因であると考えています。

ストレスチェックの結果に基づく職場改善活動

自職場のストレス状態を把握し、職場改善に役立てることを目的として、各職場のストレスチェック結果を「ストレスチェックフィードバックシート」にまとめて部門長に報告しています。また職場ストレス度が特に高い4職場に対して、職場改善アクションプランシートを活用した、職場環境改善活動を実施しました。

職場マネージメントサポートとは

ストレスチェックの結果、職場ストレス度が悪い職場を訪問して部門長と一緒にストレス要因を検証し、改善策を導きだす。

平均ストレス度 年次推移/高ストレス者比率 年次推移/精神系疾患による新たな休業日数 年次推移/精神系疾患による新たな休業者数 年次推移/年代別新休業者数と要因/ストレスチェックの結果

メンタルヘルス教育

新任管理監督者を対象とした階層別研修の中で、メンタルヘルス教育を実施しています。 メンタルヘルス教育は、心の病気の理解とその対応方法、アンガーマネージメント、自身のストレス対処法、アサーションなどの内容で構成しています。また2018年度は、基幹職メンタルヘルス教育、コミュニケーション能力向上研修、工場監督者向けメンタルヘルス教育を実施しました。

「健康の日」、「一人一言」活動の実施

従業員の健康に対する意識・興味を高めるため、毎月「健康の日」を設定しています。
「健康の日」には、季節のトピックスや社内イベントに合わせたテーマで、健康に関する資料を展開しています。また、風通しの良い職場づくりの一環として、朝礼・昼礼時に各職場で毎月異なる一つのテーマについて、職場メンバー全員が発言する「一人一言」活動を展開しています。互いの考えを共有し、話し合うきっかけを作ることで、職場でのコミュニケーションを活性化することを目的としています。

健康の日 展開資料

精神疾患による休業者の復職支援

厚生労働省の指針に基づき、精神系疾患で休業した従業員の職場復帰を支援しています。職場復帰支援プログラムは再発防止に主眼をおき、障がい者職業センターなどの外部機関と連携して実施しています。2009年度0.34%だった再発率は、2018年度0.27%に減少しました。

過重労働対策

長時間労働者の健康管理のため医師による面接指導を行っています。面接では、産業医が疲労の状態や仕事の状況を確認し、疲労が蓄積していると判断された場合には、翌月の残業制限や生活面での指導を実施しています。

周知活動の実施

過重労働は脳血管障害や虚血性心疾患を招く可能性が高いため、長時間労働を健康阻害リスクと考え、「多残業、休日出勤、連続出勤の是正」と「労働時間の把握と管理の徹底」を遵守事項に掲げて周知活動に取り組んでいます。その結果、2017年度は基幹職の長時間労働健診の受診対象者を減らすことができました。2018年度も業務の効率化、平準化対策、長時間労働職場の管理に取り組んでいきます。

長時間労働者健診を受けた従業員数の推移

基幹職 一般従業員
2014年度 3,004人
(平均250人/月)
2,312人
(平均193人/月)
2015年度 4,451人
(平均371人/月)
1,854人
(平均155人/月)
2016年度 2,408人
(平均201人/月)
2,088人
(平均174人/月)
2017年度 2,246人
(平均187人/月)
2,060人
(平均171人/月)
2018年度 2,301人
(平均192人/月)
2,095人
(平均175人/月)

※長時間労働者健診は、基幹職・一般従業員ともに、残業時間が3カ月連続で45時間を超えた従業員、または、単月で70時間を超えた従業員が対象。

[ 体の健康づくり ]

従業員の生活習慣病リスク低減のために

生活習慣病をはじめとする疾病の予防、早期発見・早期治療を重視し、従業員の健康管理を積極的にサポートしています。生活習慣病のリスクをはかるものとして、BMI(※)を一つの指標としており、2020年までにBMI25以上の従業員を全体の20%以下にするという目標を立て、様々な取り組みを行っています。

※BMI [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。日本肥満学会では25以上を肥満と定めています。

BMI25以上の従業員の割合

BMI25以上の従業員の割合

特定保健指導

2008年よりスタートした特定健診・特定保健指導は、従業員の中に定着しつつあり、「脱メタボリックシンドローム」を目指して積極的に取り組んでいます。2018年度の特定保健指導の初回指導の受講率は94.5%で、目標達成率は15%でした。指導から6ヶ月後の評価結果では腹囲が3cm以上減った従業員は110人(14.5%)で前年度より5.5%減少しました。腹囲が3cm以上増えた従業員は193人(25.5%)で前年よりも4.4%減少しました。前年度より業務内容の変化で日常の活動量が大幅に減った人に多く見られました。保健指導では食事の改善を主に説明していましたが、次年度は運動の習慣化や日常の活動量を増やす工夫を重点にした指導を行いたいと考えています。

特定健診・特定保健指導受講者
6カ月後の腹囲の増減
(6か月後の評価終了者を掲載)

(受講者合計755人)

特定健診・特定保健指導受講者 6カ月後の腹囲の増減

喫煙対策

2020年までに従業員の喫煙率を全体の32%以下にすることを目指し、禁煙を希望する従業員に対し、医療職がサポートする禁煙チャレンジを継続してきました。

従業員の喫煙者率(年度推移)

従業員の喫煙者率(年度推移)

2018年度の喫煙に関するアンケート調査の結果、禁煙に関心を持っている喫煙者の比率は40.2%でした。この結果を受けて、禁煙に関心がある喫煙者に対して禁煙チャレンジを実施しました。参加者は85人で禁煙達成者は53人(達成率62.4%)でした。2018年度は個人だけでなく、屋内全面禁煙や喫煙時間の設定など喫煙環境からのアプローチを平行して実施し、喫煙率の低減と受動喫煙防止を推進しました。

宿泊型保健指導(スマート・ライフ・ステイ)

2017年度に引き続き、山形県上山市で2泊3日の宿泊型保健指導プログラムを9月と10月に実施しました。体験した従業員20名の健康意識は大幅に向上し、継続的に生活習慣が改善しています。

データヘルス計画

ジェイテクト健康保険組合との協働事業として、医療・検診のデータ分析から見える課題の対策に取組み、「予防・健康管理」を推進しています。2018年度は、若年層でメタボリックシンドロームに該当する社員を対象とした保健指導「健康道場」を開催しました。また事業場単位に生活習慣チャートや健康年齢を算出した健康レポートを活用して健康リスクを把握し、健康診断の有所見者に対する受診勧奨を実施しました。

ウォーキングキャンペーン

従業員に日頃から運動習慣を身につけてもらうことを目的に、そのきっかけづくりとして、 2014年度からスタートさせ、これまでに計7回実施してきました。1日1万歩を目標に、各拠点を繋ぎ合わせたルートに相当する距離を歩き、ゴールを目指します。参加者は第6回は4.553人、第7回は5,045人で回を重ねるごとに増加しました。
事業場の安全衛生委員会等において、部署長を通じての参加呼びかけや掲示板でのポスター掲示、事業場独自の賞品を設け表彰を行うなど、参加者の増加につながる取組みを行ってきました。ウォーキングキャンペーンが運動習慣のきっかけとなり、健康を取り戻せた人も多くいます。実施後のアンケートでは、「次回も参加したい」との声が多く寄せられています。

ウォーキングキャンペーン 参加者の推移

ウォーキングキャンペーン 参加者の推移

感染症の対応について

感染症法に基づき、新型インフルエンザ、結核、麻疹、風疹などの感染症が発生した場合は次のとおり対応しています。

1. 新型インフルエンザ(高病原性)
  • 発生する可能性がある地域(アジア、中東、東欧等)の駐在員とその家族への対応 →リレンザ、感染予防備品の配布
  • 日本国内での対応 →感染備品の備蓄、啓蒙活動の実施
2. 結核
  • 管轄する保健所の指示に基づき、結核患者との接触歴を有する者への健康診断を実施して感受性者を抽出
  • 感染拡大の可能性がある集団を特定し、感染拡大のリスク評価を行い、対策を検討・実施する
3. 麻疹 他
  • 患者との接触歴を有する者の中から感受性者を迅速に抽出
  • 麻疹含有ワクチンを接種する等の適切な感染拡大防止策を実施する

また、季節性インフルエンザが流行する時期は、職場感染を防止する目的で、全社の発症状況を把握し、発生日、ウイルス型などの情報を事業場別に情報展開し、感染の拡大防止に努めています。