従業員とともに -
健康面の取り組み
社会背景
国民医療費の増加や生産年齢人口の減少など社会環境の変化が進む中、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」の考え方が企業に広がっています。
従業員の健康維持・増進を行うことは、医療費の適正化や生産性の向上、さらには企業の持続的成長に向けた前提条件であり、そうした取り組みに必要な経費を将来に向けた「投資」ととらえ、企業が主体となって従業員の健康増進・疾病予防に資する取り組みを行うことが求められています。
ジェイテクトの考え方
当社では企業の持続的成長を実現するうえで、従業員が心身共に健康であることが必要不可欠であると考え、「従業員の健康増進」を重要な経営課題の1つに設定しております。従業員の健康に対する取り組みを積極的に行うことで、従業員一人ひとりがいきいきと働ける会社を目指しています。
健康宣言
ジェイテクトグループは、働く全ての従業員⼀⼈ひとりとその家族が、心身共に健康であることが、
最も大切だと考えています。思いやりと真心を持って従業員と家族の健康を支え、
従業員ファーストで健康増進活動にも取り組んでいきます。
従業員と家族を病気にさせないために疾病予防に向けた取り組みを実施し、「どんどん職場が良くなっている」と誰もが感じる健康第一を実践できる職場づくりに務めることを宣言します。
2021年6月
株式会社ジェイテクト
取締役社長 佐藤和弘
健康経営推進体制
取締役社長を責任者とする経営層が中心となり、人事機能部署、労働組合、ジェイテクト健康保険組合で「健康経営推進体制」を組織し、一体となって全社的な健康経営を推進しています。
「健康経営推進体制」を通して、各事業場/職場に対して健康づくり活動や疾病防止施策を実施し、従業員の健康意識向上と職場の活性化を図っています。
健康経営推進のための評価指標(KPI)
従業員の健康問題による労働損失を経営上の課題と捉え、"結果指標"と"行動指標"の2つの視点で総合的に評価しています。(健康KPI)
特に"行動指標"は従業員一人ひとりの行動により改善できる指標とすることで、健康意識向上に寄与すると考えています。
従業員が健康にいきいきと働くことができるよう、目標達成に向けて PDCAサイクルを回しながら、従業員の健康づくりに取り組んでいます。
分類 | 集計項目 | 2025年度目標 | 2022年度実績 | |
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結果指標 | 私傷病休業日数 | 29,000日 | 35,745日 | |
私傷病休業者数 | 480人 | 606人 | ||
精神系新規休業日数 | 3,750日 | 6,802日 | ||
精神系新規休業者数 | 63人 | 90人 | ||
行動目標 | 健康人間評価 (★印はトヨタグループ共通項目) |
★適正体重 | 7項目以上の習慣 取得者 70%以上 |
7項目以上の習慣 取得者 60.4% |
★適正飲酒又は呑まない | ||||
★睡眠で十分な休息がとれる | ||||
★運動習慣あり | ||||
★毎日朝食を摂る | ||||
★間食・夜食摂らない | ||||
★タバコを吸わない | ||||
★心が健康である | ||||
●趣味がある | ||||
●1日2回以上歯磨きをする |
2022年度の主な活動
[ 心の健康づくり ]
メンタルヘルス対策の推進
うつ病など精神系疾患等の未然予防を主眼とした各種メンタルヘルス対策を行っています。
ストレスチェックの実施
自己のストレスへの気づきや心理的負担の程度を把握する目的でストレスチェックを実施しています。2022年度は85%の従業員が受検し、高ストレス者のうち希望者にはカウンセリングを行いました。カウンセリングの結果、高ストレス要因は、会社要因(職場の人間関係、職場不適応)が60%、個人要因(家庭問題、健康不安)が40%でした。プレゼンティーズム指標(病気やケガがないときに発揮できる仕事の出来を100%とした際の過去4週間の自身の仕事の評価)の全社平均値は、2021年度、2022年度ともに83%でした。ワークエンゲイジメント指標(「働きがいのある職場」、「能力や技能の活用」、「仕事の内容は自分に合っている」の3項目のスコアの全社平均値)は、2021年度、2022年度ともに8.4点でした。
またストレスチェックの結果に基づく職場改善活動を行っており、職場分析の結果から各職場の強み・弱みを確認し、職場マネージメントに活用しています。
メンタルヘルス教育
メンタルヘルス教育は、心の病気の理解とその対応方法、アンガーマネージメント、自身のストレス対処法、アサーション、睡眠の改善などの内容で構成しています。
「ヘルスケア通信」、「一人一言」活動
従業員の健康に対する意識・興味を高めるため、季節のトピックスや社内イベントに合わせた健康情報を「ヘルスケア通信」として毎月展開しています。
また、風通しの良い職場づくりの一環として、朝礼・昼礼時に各職場で毎月異なる一つのテーマについて、職場メンバー全員が発言する「一人一言」活動を展開しています。互いの考えを共有し、話し合うきっかけを作ることで、職場でのコミュニケーションを活性化することを目的としています。
精神疾患による休業者の復職支援
厚生労働省の指針に基づき、精神系疾患で休業した従業員の職場復帰を支援しています。職場復帰支援プログラムは再発防止に主眼をおき、障がい者職業センターなどの外部機関と連携して実施しています。
長時間労働者への健康管理
長時間労働者の健康管理のため、長時間労働者には産業医による面接指導(長時間労働者健診)を行っています。面接では産業医が疲労度、体調、仕事の状況等を確認し、必要に応じて翌月の残業制限や生活面の指導を実施しています。
長時間労働者健診を受けた従業員数の推移
基幹職 | 一般従業員 | |||
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単月70H超 | 3ヵ月連続45H超 | 単月70H超 | 3ヵ月連続45H超 | |
2018年度 | 2,301人 | 3560人 | 2095人 | 918人 |
2019年度 | 1767人 | 3680人 | 1284人 | 680人 |
2020年度 | 826人 | 2958人 | 421人 | 453人 |
2021年度 | 1378人 | 3826人 | 997人 | 308人 |
2022年度 | 1473人 | 3802人 | 657人 | 338人 |
※長時間労働者健診は、基幹職・一般従業員ともに、残業時間が3カ月連続で45時間を超えた従業員、または、単月で70時間を超えた従業員が対象。
[ 体の健康づくり ]
従業員の生活習慣病リスク低減のために
生活習慣病をはじめとする疾病の予防、早期発見・早期治療を重視し、従業員の健康管理を積極的にサポートしています。
健康診断
毎年全従業員に実施しており、有所見者には個別に専門医への受診フォローや保健指導を実施するなど、健診結果に応じたサポートも行っています。2022年度の精密検査の受診率は約60%でした。
また法定健診項目を上回る内容で実施しており、年齢に応じて胃や大腸がん健診も行っております。2022年度は健康診断全体で約2億円の投資を行いました。
健康教育
従業員のヘルスリテラシー向上を目的に、年代・職種・役職別にその対象群に合わせた健康教育を実施しています。2022年度はWEB会議やe-ラーニングのシステムを活用して受講率向上を図りました。新入社員を対象に行った健康教育のアンケートでは、95%以上の参加者から「健康管理の重要性について理解できた」と前向きな回答が得られました。
また女性特有の健康問題に対する気づきを促すことを目的として、女性向け健康教育を毎年実施しています。2022年度は約73%の女性社員が受講しました。
特定保健指導
生活習慣病発症予防を目的に毎年社内で特定保健指導を実施しています。2021年度の実施率は約6割でした。2022年度は実施率や効果を上げるため、オンラインツールの活用や産業医からの保健指導を行いました。
喫煙対策
2019年に策定した禁煙ロードマップに基づき各種喫煙対策を行っており、2023年までに従業員の喫煙率を全体の25%以下にすることを目標としています。
従業員の喫煙者率(年度推移)
データヘルス計画
ジェイテクト健康保険組合との協働事業として、医療・検診のデータ分析から見える課題の対策に取り組み、「予防・健康管理」を推進しています。また事業場単位に生活習慣チャートや健康年齢を算出した健康レポートを活用して健康リスクを把握し、健康診断の有所見者に対する受診勧奨を実施しています。
健康応援ポイント制度
生活習慣の改善や継続的な健康増進を支援することを目的に、ジェイテクト健康保険組合と協働して「健康応援ポイント制度」を導入しています。
健診結果、1日あたりの歩数、健康行動の達成状況などに応じて付与されるポイントを様々な賞品と交換できる制度で、4割以上の従業員が参加しています。
当制度を活用して健康習慣の定着や健康意識向上を図っています。
感染症の対応について
政府方針に基づき、グループ会社や取引先会社とも情報共有を行いながら、各種感染症対策を行っています。新型インフルエンザ、結核、麻疹、新型コロナウイルスなどの感染症が発生した場合は次の通り対応しています。
1. 新型インフルエンザ(高病原性) |
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2. 結核 |
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3. 麻疹 他 |
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4. 新型コロナウイルス、季節性インフルエンザ |
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健康人間評価について
従業員自身が健康維持増進のために積極的に考動することを目的として、年1回「健康人間評価」を行い、個人と職場に結果をフィードバックしています。2022年度の結果から運動習慣・睡眠の改善を課題と捉え、2023年度は睡眠改善施策の実施や健康応援ポイント制度を活用した運動習慣の定着を図っていきます。