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第1回:カーボンニュートラルに向けた電動化の動向

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コラム 違いがわかる 電池の話

「カーボンニュートラルってよく聞くけど、うまく説明できない・・・」
「EVのニュースに電池のことが載っているけど、専門的でよくわからない・・・・」

最近、「カーボンニュートラル」や「脱炭素」といった言葉を目にするようになりました。なんとなくイメージはつくけど、きちんと理解できていないと感じる方も多いのではないでしょうか?
このコラムでは次回以降で、電動化のカギとなる「電池」や「キャパシタ」の概要や特長を専門的な知識を少し交えながら解説しますが、今回はその前に、日本の取り巻く外部環境について、少しご紹介したいと思います。

カーボンニュートラルって?

2020年10月に、政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。
そもそもカーボンニュートラルとは、どういう意味でしょうか?

「カーボンニュートラル」の定義は、『CO2やメタン、一酸化二窒素、フロンガスといった「温室効果ガス」について、その排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすること』と言われています。
温室効果ガスの排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった温室効果ガスは、吸収・除去することによって、『正味ゼロを目指す』、これがカーボンニュートラルです。

それでは、世界各国がカーボンニュートラルを表明しているのは、どのような背景があるのでしょうか?
その一つとしては、2015年12月にパリで開催された「第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」があげられます。
COP21では、気候変動問題に関する国際的な枠組み、通称「パリ協定」が締結され、「今世紀後半のカーボンニュートラルを実現」するために、温室効果ガス排出削減に取り組むことに参加国が合意しました。
現在、日本を含む120ヵ国以上の国・地域が2050年までのカーボンニュートラル実現目標を表明しています。

POINT

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、産業革命以降の温度上昇を1.5℃以内におさえる目標(1.5℃努力目標)を達成するためには、2050年近辺までにカーボンニュートラルの実現が必要という記載があります。

カーボンニュートラル実現への動き

2050年カーボンニュートラル達成に向け、多くの国・地域が大胆な投資意向を表明し、気候変動問題への対応を成長の機会と捉え、野心的な戦略を打ち出すような動きが広まりつつあります。
日本でも「グリーン成長戦略」が発表され、その中には次のような記載があります。

○電力部門の「脱炭素化」
...再生可能エネルギー導入、水素発電、火力発電&CO2回収等

○電力部門以外は「電化」、熱需要には「水素化」「CO2回収」、電化社会への対応
...電動化・水素活用、スマートグリッド、自動運行、製造自動化、スマートハウス等

経済産業省の試算では、グリーン成長戦略により、関連する幅広い産業での技術開発や量産投資が進み、2030年で年額90兆円、2050年で年額190兆円の経済効果が見込まれるとされています。

一方で、民間企業でも、カーボンニュートラルを意識した活動が拡がりつつあり、大手企業の中には、温室効果ガスやCO2排出量の削減目標を独自に発表する企業もあります。
例えば、製造業では、工場のゼロエミッション化に向けて、再生可能エネルギーの最大限活用、物流・運輸業では、倉庫内の機械・設備の電動化・省エネ化、モビリティの電動化・水素などの導入検討が加速しています。

POINT

ESG投資(環境:Environment,社会:Social,企業統治:Governance)やクライメートアクション100+(CA100+)により、企業活動上の環境への配慮もはますます重要な課題となっています。 ※クライメートアクション100+(CA100+)投資家による気候変動イニシアティブが結集した集合体。投資先の企業が悪影響を受けないように、企業に気候変動のリスクを下げる活動をうながす。

実現に必要なこととは?~高まる電力需要~

カーボンニュートラルの実現に向けて、各産業でさらに電化が進むと、電力需要は現状より30~50%増加する見込みとの意見もあります。電化の重要性が今よりも増す一方で、再生可能エネルギーの最大限活用や蓄電池を活用した電力利用の効率化もポイントです。既に蓄電池は様々な場面で活用されていますが、数多く種類がある蓄電池は、どのように選択されているのでしょうか?

次回、そもそも蓄電池にどのような種類があるのか、どうやって電気を貯めたり放出したりするのか、特長や原理を解説していきます。 お楽しみに!

(出典)
経済産業省資源エネルギー庁「カーボンニュートラルって何ですか」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_01.html

内閣府「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai6/siryou1.pdf

注記|本コラムにおける技術情報は、当社および第三者の知的財産権他の権利に対する保証または実施権を許諾するものではありません。また、一部の内容に主観的な解釈・意見を含むことをお含みおき頂きますようお願い致します。

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