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MVVの実践者たち~3名のソリセンメンバー~

山本 貴史(ソリューション統括部 主任プロフェッショナル )
鈴木 雄大(ソリューション総括部ソリューション企画室 主任プロフェッショナル)
稲葉 大樹(BRエネルギーソリューション推進部ソリューション開発室応用システム開発課 主任プロフェッショナル )

Interview

ジェイテクトは2030年までに目指す姿として、JTEKT Group 2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げています。このVisionの実現に向けて、2025年1月にソリューション共創センターが発足しました。

多様な専門性を持つ社員が集まり、社内外の技術や知見をつなぎながら、顧客の課題解決に取り組む組織です。日々寄せられる「困りごと」に対して、対話を重ねながら本質に迫り、顧客に寄り添いながら解決への道筋をともに探っています。ジェイテクトは、お客様一人ひとりの声、1社1社の声の中に、未来の価値創出につながる可能性があると考えています。

今回のインタビューでは、ソリューション共創センターで働く3名の社員に、ジェイテクトが描く未来に向けて、どんな挑戦が始まっているのかを語っていただきました。
(インタビュー日:2025年9月12日)

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MVVを原動力に

MVV.jpg

ソリューション共創センターは、ジェイテクトのMVV(Mission・Vision・Value)に基づいて取組みを進めています。

Mission(使命):技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする
Vision(目指す姿):モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー
Value(共通の価値観):Yes for All, by All !-みんなのために、みんなでやろう-

ジェイテクトが目指すのは、これまで培ってきた、モノづくりの技術やノウハウを活かすことで、人・物・情報の移動の自由度が広がった新たなモビリティ社会の実現に貢献し、その障害となる社会課題に対するソリューションを提供すること。
ソリューション共創センターは、その象徴として、未来に向けて"ソリューションの種"を見つけ、育てる挑戦を続けています。

Index

■異なる専門性がつながる強み
■Yes for All, by All!──困りごとを価値に変える、ジェイテクトの挑戦
■事業化の壁を越えるための設計
■困りごとから生まれた成果──リチウムイオンキャパシタ Libuddy® の自動車への搭載開始
■ジェイテクトが目指す次のステージ──未来を動かす挑戦は続く

異なる専門性がつながる強み

ソリューション共創センター、略してソリセンには、営業・技術・企画といった職種にとどまらず、異なるバックグラウンドや視点を持つ社員が集まっている。専門分野の違いだけでなく、キャリアの歩み方や課題への向き合い方もさまざま。それぞれの強みが交差することで、ひとつの課題に対して多角的な検討が可能となる。
今回インタビューした3名の強みもそれぞれ異なる。

★山本さん.JPG

ソリューション統括部に所属する山本は、国内外で法人営業を経験した後、営業推進や営業企画など、営業に関わる業務を幅広く担当してきた。どうすればお客様にお役立てできるかを20年にわたって考え、実践し続けてきた経験を活かし、現在は"コンシェルジュ*"として活動している。社内外から寄せられる困りごとに耳を傾け、丁寧なヒアリングを通じて背景や意図、問題の本質を探りながら、社内外のメンバーと連携してより良い方向へ導いていく。バックグラウンドの異なるコンシェルジュやソリセンメンバーとの多角的な議論が、ソリセンの幅広いアプローチにつながっている。

★コンシェルジュ 注釈つき.png

★鈴木さん.JPG

ソリューション企画室の鈴木は、コンサルティングファームなど複数の企業を経てジェイテクトに入社。企業の課題解決に取り組んできた経験に加え、ビジネススクールで経営の基礎から応用まで幅広く学んだ知見を持つ。理論と実践の両面から事業を捉える視点を活かし、新規事業開発における制度設計、教育、社外連携など、幅広い領域で活躍している。現場との深い対話を通じて、仮説とのギャップや見えてこなかった課題、改善のヒントに気づくことも多いという。

★稲葉さん.JPG

BRエネルギーソリューション推進部の稲葉は、学生時代に情報系を専攻し、前職では複数の自動車部品メーカーで、車両の動作を制御するソフト開発に携わっていた。その知識と経験を活かし、ジェイテクトでは高耐熱リチウムイオンキャパシタ Libuddy® を活用した車両用バックアップ電源の電子制御技術を立ち上げた。仕様の検討から設計、実装まで一貫して担当。現在では、ソフトウェア開発への深い知見を活かし、社内で作られるシステムのレビューも行っている。

こうした個人の専門性と、ジェイテクトが長年にわたり培ってきた多様なコアコンピタンス──高精度軸受、円筒研削、トルク制御技術など──とが掛け合わさることで、提供できるソリューションは多種多様になる。

Yes for All, by All!──困りごとを価値に変える、ジェイテクトの挑戦

ソリューション型ビジネスとは、単に製品やサービスを提供するのではなく、顧客が抱える課題に対して、最適な手段を組み合わせて解決策を提案・実行するビジネスモデルである。技術、知見、ネットワークなど、企業が持つあらゆる資産を活かして、課題解決そのものを価値として届ける点に特徴がある。

ジェイテクトが掲げる2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」は、まさにこのソリューション型ビジネスを目指すものだ。従来の「モノを売る」から、「困りごとを起点に解決策を提案し価値を届ける」へと発想を転換し、顧客の課題に寄り添いながら、技術と知見を組み合わせてソリューションを形にしていく。
山本は「投書箱のようなことを、会社の事業として実施しています。前例のないことに、トライアンドエラーを繰り返して取り組むことに新鮮さを感じます」と語る。

★山本さん②.JPG

ソリセンを開設してからこれまで500件を超える困りごとが寄せられている。その内容は、個人の小さな悩みから、組織全体の課題まで、多岐にわたる。これらの課題に対しジェイテクトが技術や知見を活かして解決することで、新たなビジネスが生まれる可能性がある。

ソリセンの役割は、最適なソリューションを提供するために、社内外の知見を繋ぎ合わせることだ。言い換えれば旗振り役として、社内外のネットワークをつなぎ、課題に応じて、共創する仲間を集めるということになる。つまり、ソリセンのメンバーだけがソリューションプロバイダーになるのではなく、ジェイテクトで働く一人ひとりが、ソリューションプロバイダーとなるのである。

こうした取り組みの根底にあるのが、MVVのValue、共通の価値観である「Yes for All, by All!-みんなのために、みんなでやろう-」だ。誰かが困っていたら、みんなで協力して解決に導こう。この意識が根付いているからこそできることである。転職して日が浅い鈴木の目には、「ジェイテクトの社員は会話する障壁が低く、みんなが協力してくれる。自分の意見・視点を聞いてくれる土壌がある」と映っている。

事業化の壁を越えるための設計

日々困りごとからソリューション型ビジネスの"種"が生まれている。しかし、その種すべてが事業として花開くわけではない。

ジェイテクトでは、アイデア創出から市場投入までのプロセスを複数の段階に分け、各ステージで実現性や収益性を評価する「ステージゲート」の導入をすすめている。ステージごとに確認すべき指標を設定することで、適切なタイミングで必要な議論を行い、事業化の可能性を見極めている。
鈴木は「新規事業の成功する確率が千三つ(3/1,000件)と言われる中、ビジネスの種をたくさん作って、筋の良い事業か、を正しく評価することが大事」と語る。「困っている人が1人だけでは事業化はできません。同じような課題を抱える人や企業がどれだけいるのか、マーケットの規模を検証することで、事業化できるか否かを見極めることが重要なポイントの1つです」と続ける。持続的に利益を出し、その事業が成長し続けることが見込めなければ、時には"種"を捨てるという選択も必要になる。

一方で、事業化には社内のリソースや人繰りの課題も伴う。
個人の困りごとや思いから始まった取組みを、誰が育てていくのかが決まらないケースがある。部署ごとに優先業務があり、追加の業務に対応できない状況が、ソリセンの立ち上げ以降、浮き彫りになってきた。

山本は「コンシェルジュとして、新規事業に挑戦しようとする社員の熱意に寄り添いたい。必要な人材をつなぎ、動き出すためのチームをつくり、時には壁打ち相手にもなって、事業化の実現に向けて伴走できたら」と意欲を示す。というのも、山本自身、ソリセンの立ち上げ後に、お客様からの製品開発依頼について、受け入れ先を社内で見つけられず、断念せざるを得なかった経験がある。その時の悔しさをバネに、全社的に新規事業に取り組める体制や仕組みづくりに前向きに取り組んでいる。

こうした背景もあり、社内だけで完結する必要はないという考えのもと、鈴木は社外連携マイスターとして、大手企業やスタートアップ企業、大学などとのネットワークを築いている。「自分たちでやりきれない部分を、社外との共創で補完していきたい。社内のメンバーに対し、外部連携という選択肢があることを周知していきたい」と語る。

★鈴木さん②.JPG

困りごとを価値に変えるには、技術や知見だけでなく、仕組み・人繰り・外部連携など、あらゆる要素が必要だ。しかし、ハードルが高いからこそ、真に求められるソリューション事業を生み出せると鈴木は信じている。

困りごとから生まれた成果──リチウムイオンキャパシタ Libuddy® の自動車への搭載開始

稲葉が所属するBRエネルギーソリューション推進部は、車両や工場など、あらゆる場面で発生するエネルギーに関する困りごとの解決に取り組んでいる。その活動の大きな柱になっているのが、高温環境に対応可能な高耐熱のリチウムイオンキャパシタ Libuddy® である。従来のキャパシタの常識を覆す-40℃~85℃という動作温度範囲を実現し、過酷な環境下でも安定した性能を発揮する。この技術は、「電池製造設備の知見」「材料技術」「グループ会社の油気圧技術や熱処理技術」という、ジェイテクトグループが培ってきたコアコンピタンスの掛け合わせによって生まれた。

開発のきっかけは、社内の現場から寄せられた困りごとだった。「大型SUV用電動パワーステアリングの高出力化にキャパシタを使いたい。安くて低温でも高温でも使えるものをつくれないか。どこの会社にお願いしてもやってくれないし、できないと言うんだ」。当時のステアリング電子技術部長からそんな声が出たのは2007年ごろ。 大型乗用車に電動パワーステアリングを搭載することに向けて、低速でのバック駐車などステアリングのエネルギー負荷が一時的に高まる場面に対応しきれていないという課題に応える形でキャパシタの開発が立ち上がった。2019年には量産が開始され、現在で自動車向けだけでなく様々な産業のエネルギーマネジメントシステムとしての提案が広がっている。

中でも、トヨタ自動車のLEXUS初となるBEV専用モデル「RZ」への搭載は、未来のモビリティに貢献する象徴的な取り組みとなった。LEXUS RZは、最新の電気自動車技術が詰まったモデルであり、ステア・バイ・ワイヤなどの先進機能を支えるためには、主電源に万が一不具合があっても安全に退避走行できるバックアップ電源が不可欠となる。高温・低温環境でも安定した性能を発揮し、瞬時に電力を供給できるリチウムイオンキャパシタは、まさにその要件を満たす技術であり、LEXUSブランドの信頼性と走行性能を支える重要な役割を担っている。

稲葉は「我々が作ったバックアップ電源を評価いただき、市場に出せるようになりました。お客様や仕入先の皆様、社内の仲間たちと何度も話し合い、最適な電源装置とは何かを突き詰めてきました。皆さんとの共創の積み重ねが形になったことに達成感を感じています」と語る。

★稲葉さん②(加工済).JPG

この技術は、車両への搭載だけにとどまらない。産業用ドローンや再生可能エネルギーとの連携など様々な産業のエネルギーマネジメントシステムへの提案を行っており、その活用の幅は広がり続けている。

ジェイテクトのキャパシタ開発はたった一つの「困りごと」から始まった。その声に耳を傾け、技術と知見をつなぎ、仲間とともに形にしていくことで、やがて事業として芽を出し、今ではモビリティ・産業・エネルギーといった多様な分野から期待されるまでに成長した。

ジェイテクトが目指す次のステージ──未来を動かす挑戦は続く

ソリセンの挑戦は、まだ始まったばかりである。「困りごとを起点に価値を届ける」という発想は、ジェイテクトのMVVに根ざしたものであり、これからの事業創出の核となる考え方だ。

山本は「現在進行中の中期経営計画において、新規事業創出が重要な柱になっています。コンシェルジュとして、現場やお客様の生の声を拾い、事業につなげる役割を果たしていきたい」と語る。現場での伴走支援を通じて、社員の挑戦を後押しし、組織の枠を越えた共創を生み出すことが、次のステージへの鍵になると考えている。

鈴木は「困りごと起点でジェイテクトらしい事業を生み出す仕組みづくりに取り組んでいます。今後は、数々のビジネスアイディアが地に足着いた事業として形づくることで、MVVを体現できたら」と意欲を示す。制度設計や教育、社外連携など、仕組みづくりの裏側を支えてきたからこそ、次は"実"を生み出すフェーズへと進みたいという思いがある。

稲葉は「車体の大型化に伴い、エネルギー消費や必要な電圧が変化すると思っています。そうした変化に対応できる電源技術を開発することで、モビリティ社会の未来に貢献したい」と語る。
そうした技術の応用範囲を、自動車だけでなく幅広い分野にも広げ、モビリティ社会の安心・安全を支える次なる技術領域への挑戦を見据えている。

ジェイテクトが目指すのは、単なる製品開発ではなく、社会の課題に寄り添い、技術をつなぎ地球と働くすべての人を笑顔にすること。MVVを原動力に、ソリューション型ビジネスを実践していく。

★集合写真.JPG

一人の声が、未来を動かす力になる。
ジェイテクトは、これからもその声に耳を澄ませ、挑戦を続けていく。

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